ソフトバンクのSIMフリースマホ向けのSIM「ソフトバンクマルチUSIM」を採用した大容量ポケットWiFiサービスがFUJI WiFi(SIMプラン)です。
そして2019年11月よりプランを大幅改定し、既存プランの値下げと「使い放題プラン」の追加となりました。
使い勝手の良い「ソフトバンクマルチUSIM」が使い放題、とまさに最強のポケットWiFi、最近人気の「どんなときもWiFi」を超えるギガ無制限のポケットWiFiになります。
この「FUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プラン」があれば、外ではモバイルルーター、自宅ではホームルーターで使え、そして自宅の光回線もいらなくなるよね?という点を確認してみました。
具体的には、WiMAX向けのホームルーター「Speed Wi-Fi HOME L01s」でFUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランを使ってみたレビューとなります。
目次
FUJI WiFi(SIMプラン)を「Speed Wi-Fi HOME L01s」で使えるのか?
やってみたいこと・目的
WiMAX2+からFUJI WiFi(SIMプラン)の使い放題プランへ乗り換えました。FUJI WiFi(SIMプラン)のルーターはモバイル型の「FS300W」です。
自宅でもパソコン・スマホ・プリンタ・家電など、FUJI WiFi(SIMプラン)を「自宅のネットワークで使いたい」「できれば光回線を解約して通信費を削減したい」ということを考えています。
また、WiMAXを長く使っていたので以下のルーターを所有しています。
- Speed Wi-Fi NEXT WX05(NEC製)
- Speed Wi-Fi NEXT W06(HUAWEI製)
- Speed Wi-Fi HOME L01s(HUAWEI製)
- WiMAX HOME01(NEC製)
これら、WiMAX用のモバイルルーターやホームルーターはFUJI WiFi(SIMプラン)では使えるのか?検証したい、というのが本記事の目的です。
Speed Wi-Fi HOME L01sはSIMフリールーター
HUAWEIのWiMAX向けホームルーター「Speed Wi-Fi HOME L01s」はSIMフリーのルーターです。
WiMAXのSIM(au VoLTE SIM)以外にも、ドコモ・ソフトバンクのSIMが使えます。
ただし「SIMロックはかかっていない」というだけの話しであり、ドコモやソフトバンクの通信サービスで十分に性能を発揮できるかどうかは未知です。当然ながら「Speed Wi-Fi HOME L01s」はWiMAXのために作られたホームルーターです。
ソフトバンクマルチUSIMはSIMフリー向け
そして、FUJI WiFi(SIMプラン)が採用しているSIMは「ソフトバンクマルチUSIM」です。
これはソフトバンクがSIMフリー向けに提供している、いわゆるIMEI制限一切なしのSIMになります。
つまり、SIMフリーのスマホやルーターで使い勝手の良い「ソフトバンクマルチUSIM」をFUJI WiFi(SIMプラン)の使い放題プランとして利用できるのでは?という期待があります。
Speed Wi-Fi HOME L01sの対応周波数は?
SIMフリールーターにSIMフリー向けのSIMを指して使うので使えるはずですよね。
ただし、問題点はホームルーター「Speed Wi-Fi HOME L01s」の対応周波数です。
WiMAXがハイスピードモード通信およびハイスピードプラスエリアモード通信で使用する周波数帯は当然使えるとしても、ソフトバンクの周波数帯にはどこまで対応できるのか、が問題点です。
まぁ、とにかくやってみましょう。
FUJI WiFi(SIMプラン)を「Speed Wi-Fi HOME L01s」で使ってみる
FUJI WiFi(SIMプラン)のSIMを装着する
Speed Wi-Fi HOME L01sへFUJI WiFi(SIMプラン)のSIMを装着します。SIMの装着は簡単、Speed Wi-Fi HOME L01sの底面からFUJI WiFi(SIMプラン)のSIMをカチッと差し込むだけです。
この場合、注意点は「SIMサイズ」です。
Speed Wi-Fi HOME L01sのSIMサイズは「nan SIM」サイズです。
一方、FUJI WiFi(SIMプラン)の標準ルーター「FS300W」のSIMサイズは「Micro SIM」サイズです。
この点については心配無用、ソフトバンクマルチUSIMは台紙から「標準SIM」「Micro SIM」「nano SIM」の3つのサイズに自由に切り取ることができます。
また、Microサイズで切り取りさらにnanoサイズで切り取ると、Microサイズ(の切り取り残骸)とnano SIMをはめ込むと、MicroサイズのSIMとして標準ルーターで使えるようになります。
APNを設定する
Spepd Wi-Fi HOME L01sへソフトバンクマルチUSIM用のAPN(アクセスポイント情報)を設定します。
ソフトバンクマルチUSIMのAPN情報はソフトバンクのホームぺージで公開されています。
以下の情報をSpeed Wi-Fi HOME L01sのAPN情報へ設定します。
プロファイル名 | 任意の名前(Softbank4G)など |
---|---|
APN(接続先情報) | plus.4g |
ユーザー名 | plus |
パスワード | 4g |
認証タイプ | CHAP |
IPタイプ | IPv4 または IPv4 & IPv6 |
これだけでソフトバンクアクセスインターネットプラスへつながってしまいました。ちゃんと接続できているかどうか、はSpeed Wi-Fi HOME L01sの管理画面の接続情報を確認してみましょう。
通信速度を測定してみる
なんともあっけなくソフトバンクアクセスインターネットプラスへつながってしまったので、さっそく速度測定してみます。
ハイスピードモード
Speed Wi-Fi HOME L01sはWiMAXで使っていたので、通信モードはWiMAXの設定のままです。つまり「ハイスピードモード」になっています。
ざっとスマホから速度測定してみました。
上り:10Mbps程度
下り:30Mbps程度
だいたい安定してこの程度の速度、パソコンで複数ブラウザを開いてYouTube垂れ流しながらブログ記事を書いたり、ということも十分できる速度です。
ハイスピードプラスエリアモード
興味本位で通信モードを「ハイスピードプラスエリアモード」に変更してみました。「ハイスピードプラスエリアモード」はWiMAX2+の電波に加えて、繋がりやすいスマホの電波「au 4G LTE」も使える通信モードです。
すこし通信速度が変化しました。
上り:25~30Mbps程度
下り:30Mbps程度
上り速度が改善されています。
WiMAXの通信モード「ハイスピードモード」と「ハイスピードプラスエリアモード」では、ソフトバンクマルチUSIMでも使う電波が違ってくるのでしょう。
使ってみた結果
このように、いろいろ考察すべき事項はありますが「FUJI WiFi(SIMプラン)をSpeed Wi-Fi HOME L01sで使えるか?」については、いとも簡単に、APN情報を設定するだけで使うことができました。
WiMAXご契約の方、ホームルーターをお持ちの方、そしてFUJI WiFi(SIMプラン)への乗り換えを検討している方は、ぜひ活用してみてください。
FUJI WiFi(SIMプラン)をSpeed Wi-Fi HOME L01sで使う場合の考察事項
通信周波数はどうなる?
今回使ったホームルーター「Speed Wi-Fi HOME L01s」は、Amazonで購入したものです。au版とUQ版がありますが、私が購入したのはUQ版なので、通常のWiMAX2+通信サービス向けに設定されたホームルーターです。
「Speed Wi-Fi HOME L01s」はSIMフリールーターではありますが、通信周波数がどこまで対応しているのかは未知数、当然ながら「WiMAX2+通信サービスで必要となる周波数のみ」と考えるべきでしょう。
複合方式 | BAND | 周波数帯 (MHz) |
WiMAX2+ | Softbank |
---|---|---|---|---|
FDD-LTE | BAND1 | 2100 | 〇 | 〇 |
BAND3 | 1800 | 〇 | 〇 | |
BAND8 | 900 | × | ◎ | |
BAND11 | 1500 | 〇 | 〇 | |
BAND18 | 800 | ◎ | × | |
BAND26 | 850 | 〇 | × | |
BAND28 | 700 | 〇 | 〇 | |
TDD-LTE | BAND41 | 2500 | 〇 WiMAX2+ |
〇 AXGP |
BAND42 | 3400 ~3600 |
〇 | 〇 |
このように、WiMAX向けルーターである「Speed Wi-Fi HOME L01s」をソフトバンクマルチUSIMで使う場合、ソフトバンクのプラチナバンドであるBAND8が使えないだろう、と推測できます。
通信モード「ハイスピードモード」
WiMAX2+の標準的な通信モードは「ハイスピードモード」です。WiMAX2+の電波のみを使って通信するモードで、上の表でいえばBAND41/42になります。
この周波数帯にはソフトバンクのAXGPが割り当てられています。AXGPはソフトバンクのポケットWiFiやソフトバンク・エアーで使われている周波数帯です。
ホームルーター本体の通信モードを「ハイスピードモード」で通信した場合の速度がこのようになります。
SIMを差し替えたからと言って通信モードの動作が変わるとは思えないので、この状態はWiMAX2+のBAND41/42のみで通信するモード、ソフトバンクマルチUSIMならAXGPで通信していると想定されます。
通信モード「ハイスピードプラスエリアモード」
WiMAX2+のもう一つの通信モード「ハイスピードプラスエリアモード」は、WiMAX2+の電波(BAND41/42)に加えて繋がりやすスマホの電波も使える通信モードです。
ホームルーターの通信モードを「ハイスピードプラスエリアモード」に設定することで、ソフトバンクのSoftbank4GLTEのBAND1が使えるようになると想定されます。
ホームルーター本体の通信モードを「ハイスピードプラスエリアモード」で通信した場合の速度がこのようになります。
「ハイスピードモード」時のBAND41/42(AXGPで通信)に加えて、ソフトバンクスマホの電波「Softbank4GLTE」のBAND1の通信も加わっていると思われます。
ソフトバンクSIMを使った場合、さすがにauのCA(キャリアアグリケーション)での高速通信はできていない状態と言えます。
まぁ、SIMフリールーターと言っても、もともとWiMAX2+専用ルーターなので仕方ないところでしょうし、下り30Mbpsも出ていれば十分です。
ハイスピードモードとハイスピードプラスエリアモードはどちらで使う?
WiMAX2+には「ハイスピードモード」と「ハイスピードプラスエリアモード」という2つの通信モードがあります。
「ハイスピードモード」はWiMAX2+の電波であるBAND41/42だけを使う通信モード、「ハイスピードプラスエリアモード」はWiMAX2+の電波に加えて繋がりやすauスマホの電波も使う通信モードです。
ソフトバンクに当てはめると、「ハイスピードモード」はAXGPの電波だけを使って通信し、「ハイスピードプラスエリアモード」ではソフトバンクスマホの電波も使って通信します。ただし、(多分ですが)Speed Wi-Fi HOME L01sはソフトバンクのプラチナバンドであるBAND8には対応していないと思われます。
さて、この場合、どちらの通信モードで使うべきか?というと、間違いなく「ハイスピードプラスエリアモード」となります。
「ハイスピードプラスエリアモード」はWiMAX2+の電波(ソフトバンクだとAXGP)と繋がりやすいauスマホの電波(ソフトバンクだとSoftbank4GLTE)のどちらも使って、最適な通信をしてくれる通信方式です。
WiMAX2+サービスだと「ハイスピードプラスエリアモード」を使うと別途オプション料金が必要になったり上限7ギガで速度制限が掛かったりしますが、FUJI WiFi(SIMプラン)の使い放題プランだと「ずっと定額」「速度制限なし」です。
FUJI WiFi(SIMプラン)のソフトバンクマルチUSIMをSpeed Wi-Fi HOME L01sで使う場合は、通信モード設定を「ハイスピードプラスエリアモード」で使うことをおすすめします。
FUJI WiFi(SIMプラン)の使い放題プランをホームルーターで使うメリット
自宅内での通信が安定する
一般的にはモバイルルーターよりもホームルーターの方が高性能と言えます。
家庭用電源を使うためにアンテナ出力を上げることができ、電波を安定してキャッチできます。
WiFi通信についても同様で、安定したWiFi通信はホームルーターの方が安定します。
利便性が向上する
モバイルルーターのままで自宅内でもスマホやパソコンで使う場合、ずっと充電しっぱなしになってしまいます。これはバッテリーの劣化にとって一番悪いことです。
自宅ではホームルーターで使うほうが安定性・高速性とあわせて、モバイルルーターの寿命の伸ばすことができます。
また、モバイルルーターよりもホームルーターの方がWiFi接続台数が多くなるしWiFi電波も十分遠くまで届くし、そしてパソコン以外でも家電などの有線LAN接続もできるようになります。
光回線が不要になる?
IoTの普及によって、家電やスマートスピーカーなどの製品が出てきて自宅のネット環境は必須の状態です。モバイルとは別に自宅に光回線を導入している人も多いでしょう。
FUJI WiFi(SIMプラン)の使い放題プランの登場によって、自宅のルーターをFUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランで運用することで、自宅でも外出先でもSIMを差し替えてFUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランだけで運用できるかもしれません。
FUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランにぴったりのホームルーター
NEC HT100LNはおすすめか?
FUJI WiFi(SIMプラン)のサービスを申し込むと、モバイルルーターまたはホームルーターが無料となります。ホームルーターを選ぶと「NEC HT100LN」が送られてきます。
つまり「NEC HT100LN」はFUJI WiFi(SIMプラン)標準ホームルーターです。
ただし、「NEC HT100LN」はFUJI WiFi(SIMプラン)で使う場合にはあまりお勧めできるルーターではありません。
- ソフトバンクプラチナバンドに非対応
- ソフトバンクAXGPに非対応
- 本体価格が結構高い
HT100LNの本体仕様
NEC HT100LNは一般市販されている製品なので、基本仕様が公開されています。
WAN側 | LTE | BAND1(2.1GHz) BAND19(800MHz) BAND26(800MHz) |
---|---|---|
3G | 非対応 | |
LAN側 | 無線 | IEEE802.11ac/n/a/g/b 最大433Mbps(5GHz/ac時) |
有線 | 1000Mbps/100Mbps × 1ポート |
注意点としてはソフトバンク回線に対して「BAND1のみ対応」という点です。「BAND1」以外ではソフトバンクの電波を利用することができません。
今回レビューした「Speed Wi-Fi HOME L01s」では「BAND1/3/11/28/41/42」が対応しており、より多くのソフトバンク周波数帯を利用することができますが、ちょっと「HT100LN」はソフトバンク回線で使うには心配になる仕様です。
HT100LNはFUJI WiFi(SIMプラン)公式ホームルーター
なお、FUJI WiFi(SIMプラン)を契約すると無料でもらえるルーターなので、「自宅でしか使わない!」という人は選んで損のないルーターだと思います。
ただ、外でも使いたい・使うかもしれない、という人はモバイルルーター「FS300W」を選び、別途ホームルーターは安いのを購入するほうが良いでしょう。
HUAWEI Speed Wi-Fi HOME L01sはおすすめか?
今回レビューしたホームルーターが「HUAWEI Speed Wi-Fi HOME L01s」です。
残念な点として「ソフトバンクプラチナバンド(BAND8)に非対応と思われる」という点があります。
ただし、以下の点からかなりおすすめと思います。
- BAND1だけじゃなくBAND41/42(AXGP)にも対応している
- 比較的安くで購入することができる(5,000円程度~)
Speed Wi-Fi HOME L01sは本体価格も安くで手に入れることができるし、ソフトバンクプラチナバンドには対応していない(と思われる)ながらも、我が家では十分な速度で通信できています。
本体価格を考えると、FUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランを自宅のホームルーターで使う場合の選択肢として「Speed Wi-Fi HOME L01s」はおすすめです。
FUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランの登場で移行が進むか?
WiMAXからFUJI WiFi(SIMプラン)への移行は進むか?
FUJI WiFi(SIMプラン)はソフトバンクのSIMフリー向けSIMである「ソフトバンクマルチUSIM」を採用した通信サービスです。「ソフトバンクマルチUSIM」は非常に使い勝手の良いSIMとして人気です。
この使い勝手の良い「ソフトバンクマルチUSIM」を採用したFUJI WiFi(SIMプラン)に使い放題プランが登場、お値段なんと月額3,200円です。
これは「WiMAXで一番安い!」と評判のGMOとくとくBBの「平均月額3,350円」よりも安い値段、しかも使い放題、「3日10ギガ制限」などもありません。
しかも、WiMAXでHUAWEI製ルーター(W05/W06/L01s/L02など)を使っている場合、FUJI WiFi(SIMプラン)の「ソフトバンクマルチUSIM」でも使えてしまいます。
今後、WiMAX2+からFUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランへの移行は進むのでは?と思います。
どんなときもWiFiとFUJI WiFi(SIMプラン)では?
FUJI WiFi(SIMプラン)を運営するグッド・ラック社が2019年3月に投入した新しい通信サービスが「どんなときもWiFi」です。私も2019年5月から使っています。
「ドコモ・ソフトバンク・auが使える」「海外でもそのまま使える」というクラウドSIMの仕組みを使ったサービスです。
実際使ってみると、ほとんどソフトバンクの電波しか掴みませんが、ほんとうにギガの上限も速度制限もありません。最高で月に200ギガを使いましたが速度制限がかかることはありませんでした。
とても良い通信サービスですが、問題は「クラウドSIM」という点です。
今回のレビューでもお判りいただけたかと思いますが、やはりSIMを使った通信サービスは他のデバイス(スマホやルーター)へSIMを差し替えてベストなデバイスを使うことができます。また、バッテリーが劣化しても他のデバイスへSIMを差し替えて使い続けることができます。
クラウドSIMの仕組みを使った「どんなときもWiFi」は契約端末が本当に専用端末になります。バッテリーが劣化しても交換できないしAmazonで購入することもできません。
この点から、クラウドSIMのメリットは海外旅行時ですが、現在では現地空港で簡単で安価に現地のプリペイドSIMを購入することができるようになりました。
「どんなときもWiFi」は現在非常に人気のサービスですが、これも今後FUJI WiFi(SIMプラン)使い放題プランへの乗り換えが進んでいくのではないでしょうか?