ソフトバンクの回線を使ったモバイルルーター「ネクストモバイル」は、月額3,100円で「Softbank 4G LTE/Softbank 4G(AXGP)が使い放題」という太っ腹なサービスです。
WiMAXサービスに置き換えると、「データ通信に強いWiMAX2+と繋がりやすいau 4G LTEが使い放題」となるわけですが、残念ながらWiMAXで「au 4G LTE」を使えるハイスピードプラスエリアモードは、月に7GBまでしか使うことができません。
このことからも、ネクストモバイルがいかに太っ腹な通信サービスであるかがわかります。
また、ネクストモバイルの魅力のひとつに、提供されるSIMが「ソフトバンクマルチUSIM(F)」であることがあります。
このSIMはソフトバンクがSIMフリースマホを持込で契約・機種変更する利用者に向けて提供している、ちょっと特殊なSIMになります。
つまり、ソフトバンクの高速回線・使い放題サービスをSIMフリー機器で使える、数少ないSIMというわけです。
この記事では、ネクストモバイルで提供される「ソフトバンクマルチUSIM(F)」の仕様からネクストモバイルの良い点をまとめ、ちょっとだけ「ソフトバンクマルチUSIM(F)」で遊んでみたことを記事としています。
目次
ネクストモバイルの魅力
ネクストモバイルってどんなサービスなのかを、公式サイトに記載されているアピールポイントからまとめてみます。
速度制限なし
ネクストモバイルはプランによって毎月の使えるデータ量が決まっていて、その量を超えると月末まで128Kbpsに速度が制限されます。この「月のデータ量を超過した場合の速度制限」はWiMAXでもPcket Wi-Fiでも同じですね。
しかし、ネクストモバイルは「毎月のデータ容量を超えた場合の速度制限以外の制限が一切なし!」と謳っています。
たとえばWiMAX2+でも、毎月のデータ容量を超過した場合以外において「3日で10GBを超過した場合の速度制限」というルールが存在します。
このような「但し書き」の制限が一切なく、毎月のデータ容量の範囲内であれば全力で高速通信が利用できる、というのが「速度制限なし!」となります。
そして「使い放題プラン」も登場
そして2019年11月より、ついに「速度制限なし」の通信サービスに月間のギガ上限のない「使い放題プラン」が追加されました。
「3日で10GB」などの短期速度制限がないうえに、さらに月間のギガの上限もないのが「使い放題プラン」、しかも月額3,100円でのサービス開始です。
広いエリアで利用可能
そして、この「広いエリアで利用可能」というのが結構強力なポイントになります。
ネクストモバイルはソフトバンクの「Softbank 4G LTE」および「Softbank 4G」による通信サービスです。
繋がりやすいスマホの電波「Softbank 4G LTE」
「Softbank 4G LTE」はスマホや携帯電話で音声通話・データ通信に使われている通信方式であり、「つながりやすい」という特徴の電波です。
WiMAXでいえば「au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)」に当たります。
高速・大容量データ通信に強い「Softbank 4G(AXGP)」
「Softbank 4G」は主にデータ通信で利用される「高速で比較的回線に余裕のある」通信方式であり、この「Softbank 4G」は別名「AXGP」とも言われ、Softbank AirやPocket Wi-Fiでも利用されているデータ通信方式です。
WiMAXでいえば「WiMAX2+(ハイスピードエリアモード)」にあたります。
2つの電波で「繋がりやすい・使い放題」を実現
WiMAX2+通信やAXGP(Softbank 4G)による通信よる通信は「au 4G LTE」や「Softbank 4G LTE」による通信よりも「高速で回線に余裕がある」という特徴があり、データ通信の「使い放題」に向いている通信方式ですが、反面「障害物に弱い」という弱点があるため、WiMAXもそうですが「つながらない場所が多い」という不満が出てくるわけです。
ネクストモバイルは大容量通信ができるうえに、標準で「Softbank 4G LTE」による通信ができることから、毎月のデータ容量の範囲内においてはWiMAXよりも繋がりやすい、と言えます。
この点で、ネクストモバイルはWiMAX2+よりも広いエリアでつながりやすい、と言えます。
ネクストモバイルの通信サービス
ソフトバンクマルチUSIM
マルチUSIM(F)とは
ネクストモバイルの魅力は、提供されるSIMが「ソフトバンクマルチUSIM(F)」である、ということです。
このSIMは、ソフトバンクが持込新規契約・持込機種変更などの「特別な場合」において発行している、ソフトバンクの「SIMフリースマホ向け」のSIMです。
つまり、ネクストモバイルの通信サービスは音声通話こそできないものの、ソフトバンクでSIMフリースマホを「持込新規・持込機種変」した場合の通信サービスと同じ、と想像できます。
他社が販売する携帯電話をソフトバンクで利用する | ソフトバンク
ソフトバンクSIMの「IMEI制限」
ソフトバンクは多くの場合において、スマホとSIMを紐付て管理しており、ソフトバンクの契約時の組み合わせ以外では利用できないような仕組みを導入しています。
これを「IMEI制限」といいます。
IMEIとは端末固有の番号であり、IMEIを見ると「どこで買ったスマホか?」「機種は何か?」がわかります。
そして、ソフトバンクで正規契約したスマホとSIMの組み合わせ以外ではデータ通信ができないようになっている仕組みを「IMEI制限」といいます。
マルチUSIM(F)の特徴
マルチUSIM(F)は、ソフトバンクがSIMフリースマホ向けに提供している特別なSIMです。
そのため、上述のような「IMEI制限」がないのが特徴です。
つまり、SIMフリー端末やソフトバンクスマホであれば、機種を問わずにデータ通信を利用することができるSIM、ということになります。
SIMフリー端末で使える(はず)
このように、ネクストモバイルが提供しているSIMが「ソフトバンクマルチUSIM(F)」であることから、ネクストモバイルの契約SIMは(理論上)同時に提供される専用ルーター以外にも、SIMフリースマホでも使えるはずだと想像できます。
ネクストモバイルの特徴
- 繋がりやすいスマホの電波「Softbank 4G LTE」が使える
- 大容量データ通信に強い電波「Softbank 4G(AXGP)」も使える
- SIMフリー向け「ソフトバンクマルチUSIM」で提供されている
- 月額3,100円で「使い放題プラン」
ネクストモバイルの料金プラン
料金プラン
このように、ネクストモバイルは「速度制限なし」「全国の広いソフトバンクエリアで使える」「最大50GBまでたっぷり使える」というモバイル通信サービスです。
通信できる速度やエリアに問題のないことは、提供されるSIMがソフトバンクのSIMフリースマホ向けである「ソフトバンク・マルチUSIM(F)」であることからも明らかです。
では、このネクストモバイルの料金プランを見てみましょう。
費用項目 | ネクストモバイル料金プラン | ||
---|---|---|---|
フラット20GBプラン | フラット30GBプラン | 使い放題プラン | |
月間データ容量 | 20GB | 30GB | 上限ナシ |
初期費用 | 3,000円 | ||
月額料金 | 2,400円 | 2,700円 | 3,100円 |
支払方法 | クレカ 口座振替 |
クレカ 口座振替 |
クレカのみ |
このように、ネクストモバイルは毎月のデータ容量によって3つのプランがあります。
注意点として、口座振替の場合には毎月の引き落としごとに口座振替手数料200円が加算して引き落とされます。
プランの注意点
プラン変更はできない
まず、ネクストモバイルでは一度契約してしまうと料金プランの変更はできません。
どうしてもプラン変更したい場合には、いったん解約して再度新規契約となります。
二年契約自動更新
ネクストモバイルは「二年契約自動更新型」の契約となり、契約月の翌月から24ヶ月間の縛りがあります。
そして、契約月の翌月から25か月目が更新月となり、この更新月に解約申請しなければさらに二年間の契約が自動更新されます。
契約更新月以外での解約には解約手数料(解約違約金)が発生し、以下の通りです。
利用期間 | 解約手数料 |
---|---|
0~12か月目 | 19,000円 |
13~24か月目 | 14,000円 |
25か月目 | 契約更新月により、無料 |
26か月目以降 | 9,500円 |
データ容量の追加購入(チャージ)はできない
「フラット20GBプラン」「フラット30GBプラン」では月の上限を使い切ると通信速度が128Kbpsに制限されます。
この場合、格安SIMなどで一般的になってきたデータ容量の追加購入(チャージ)はできません。
選択した料金プランでのデータ容量を使い切ってしまった場合、データ容量の追加購入で速度制限を戻すということはできません。
※「使い放題プラン」にはギガの上限がないので、「ギガを使い切ってしまって速度制限」ということはありません。
初月は日割り計算
ネクストモバイルの利用開始月(初月)の利用料金は日割り計算となります。
ネクストモバイルではルーターの発送日をサービス開始日としており、このサービス開始日(ルーターの発送日)を基準として日割り計算されます。
ネクストモバイルのキャンペーン
ネクストモバイルでは「端末代金無料キャンペーン」を実施中です。
ネクストモバイルではルーターとしてモバイル型ルーターの「FS030W」とホーム型ルーター(据置型)の「HT100LN」を選ぶことができますが、どちらを選んでも端末代金は無料となります。
また、無料ではありますが契約上は「買取」となるため、サービスの解約時にルーターを返却する必要はありません。
ネクストモバイルの残念なところ
対応ルーターがちょっと残念
ネクストモバイルの通信サービスは非常に魅力的です。
WiMAXやSoftbank Airのように「使い放題」とはなりませんが、最大で月に50GBもの大容量を月額2,760円から使え、しかもその使える電波が主としてスマホで使っている「Softbank 4G LTE(FD-LTE)」であるところが魅力です。
高速で大容量データ通信サービスが安く提供される魅力的なサービスですが、2019年11月にはさらに安く料金改定され、そして待望の「使い放題プラン」も提供開始されました。
つまり、「安くて、どんな場所でも繋がりやすい」という通信サービスが非常に安価で提供されている通信サービスです。
しかし、ネクストモバイルのちょっと残念なところは「提供されるルーターがAXGPに対応していない」という点です。
通信サービスとルーターの周波数対応
まず、ネクストモバイルが提供している「ソフトバンクマルチUSIM(F)」で使える周波数と、ネクストモバイルで提供されるSIMフリールーター「FS030W」の対応周波数を比較してみましょう。
LTE BAND | FS030W | Softbank | ||
---|---|---|---|---|
FDD-LTE | 1 | 2.1GHz | ○ | ◎ |
3 | 1.7GHz | ○ | ○ | |
8 | 900MHz | ○ | ◎ | |
11 | 1.5GHz | ○ | ○ | |
18 | 800MHz | ○ | × | |
19 | 800MHz | ○ | × | |
21 | 1.5GHz | ○ | × | |
26 | 800MHz | × | × | |
28 | 700MHz | × | ○ | |
TDD-LTE | 41 | 2.5GHz | × | ○ (AXGP) |
このように、非常に魅力的な「ソフトバンクマルチUSIM(F)」を使った通信サービスでありながら、提供されるルーターが「AXGP(Softbank 4G)」に対応していない、という点は非常にもったいない話しであり、ちょっと残念なところです。
つまり、ネクストモバイルの特徴に「繋がりやすいスマホの電波(Softbank 4G LTE)」と「大容量データ通信に強い電波(Softbank 4G)」が使える、という点がありますが、ネクストモバイルで標準提供されるルーターでは、後者の「大容量データ通信に強い電波(Softbank 4G)」が使えない、という弱点があるという事です。
スマホこそネクストモバイルの最強ルーター
では、この「ソフトバンクマルチUSIM(F)」の通信サービスを最大限に活用できる機器はなにか、と言えば、「SIMフリースマホ」となります。
最近のSIMフリースマホは非常に安価で高性能になってきています。電波の対応周波数もほぼ国内のキャリアの主要周波数に対応してきており、SIMフリースマホであればソフトバンクマルチUSIM(F)の優れたサービスを十分に活用できるはずです。
ネクストモバイルを申し込んでみた
ネクストモバイル発送の連絡
ネクストモバイルへ申し込みをし、ルーターが発送されると以下のようなメールが送られてきます。
佐川急便で発送したことと、追跡用の問合せ番号が記載されています。
そして、この発送日がネクストモバイルではサービス開始日となり、課金が開始されます。
初月の料金はこの発送日を基準とした日割り計算になります。
ネクストモバイル、届いた!
ネクストモバイルの配達物
私は九州在住なので、発送の連絡(発送日)から2日後に佐川急便でネクストモバイルのルーター一式が届きました。
ネクストモバイル同梱物一式
そして同梱物はこんな感じ。
同梱物一式
- FS030W(ルーター)クイックスタートガイド
- ソフトバンク・マルチUSIMカード(F)
- FS030W(ルーター)本体
- FS030W用バッテリーパック
- ACアダプター
- USB Type-Bケーブル
ソフトバンク・マルチUSIMカード(F)
そして、期待の「ソフトバンク・マルチUSIMカード(F)」はこんな感じ。
ネクストモバイルのルーター「FS030W」はMicroサイズのSIMですが、「ソフトバンク・マルチUSIMカード(F)」は「標準・Micro・nano」の3サイズに自由に切り抜けるタイプのSIMになっています。
私はスマホでも遊んでみたいので、一旦nanoサイズに切り取り、FS030Wで利用する場合にはスペーサーを付けてマイクロサイズにすることにしました。
モバイルルーター「FS030W」
ネクストモバイルのモバイルルーター「FS030W」はこんな感じです。
単三電池と比較しても、非常にコンパクトなことがわかります。また、ボディもマット感があっていい感じ。
ネクストモバイルの設定と速度測定
ネクストモバイルのAPN設定画面
モバイルルーター「FS030W」にSIMを挿し、バッテリーパックをセットして設定します。
電源を入れると、公式サイトでのうたい文句通りすでにAPNは自動認識されていて、電波を掴んでいます。
ネクストモバイルの速度測定
パソコンをFS030WにWi-Fi接続し、さっそく速度測定してみました。
- 下り:28.57Mbps
- 登り:29.19Mbps
十分速いですね、格安SIMとは比べ物にならない速度です。
ネクストモバイルで最初に設定しておきたい項目
ネクストモバイルを便利に使うために、最初に設定しておきたいことがあります。
ルーター本体のデータ容量表示を正しくする設定
ルーター本体のディスプレイに「使用データ容量」と「全体データ容量」が表示されます。
赤枠内の左側の数字が前回リセットしてから今までのデータ通信量です。
赤枠内の右側の数字が利用できるデータ通信量(契約データ容量)です。
ここを、契約内容と使用状況に応じて、ちゃんと表示されるように設定しておきましょう。
データ通信量の設定画面です。
まず「データ通信量最大値」を設定します。私は「フラット20GBプラン」の20GB契約なので、「20GB」に設定します。
これでルーター本体画面の右側に「20GB」という利用可能データ容量が表示されます。
次に「自動リセット設定」を「有効」にし、リセットのタイミングを「毎月」に設定します。
最期に「自動リセット日」を「1」に設定することで、毎月1日になるタイミングでデータ通信容量がリセットされます。
この設定により、自動的に「データ通信量/契約データ量」が正しく表示されるようになります。
ルーターをスリープ状態にする設定
「FS030W」は初期値ではルーター本体をスリープ状態にはしません。つまり、ずっと通信可能な状態のままです。
これで良い人は良いのですが、「使う時だけ電源を入れたい!」という人はスリープ状態にできるように設定しておくと良いです。
これでルーター「FS030W」本体をスリープ設定有効にしておけば、無通信5分でルーター「FS030W」はスリープ状態になります。
そして、スマホアプリの「スリープ起動」をワンタッチで、ルーター「FS030W」本体を起動することができます。
一日中持ち歩く人で、バッテリーの消費が気になる方は、スリープ機能を試してみると良いでしょう。
ネクストモバイルの使用感
このように、ネクストモバイルはSIMを挿すだけで簡単に使い始めることができる仕組みになっています。
また、激安であるにもかかわらず、格安SIMのように速度が遅いわけでもなく、ソフトバンクの本家と同じ通信サービスを存分に利用できる、良いモバイルサービスであると言えます。
ネクストモバイルの「速度制限なし」「無制限」を検証
速度制限で確認したいこと
ネクストモバイルの魅力のひとつに「速度制限なし」というのがあります。
これはモバイルルーター(ポケットWi-Fi)で一般的な「3日で3GBや3日で10GB以上使うと速度制限される」とい規制がありません、ということです。
一方、契約プランに応じたデータ通信容量(ギガ)を使い切ってしまうと、月末まで通信速度128Kbpsに速度制限される、とも規定されています。
ここでは、以下の点について実際に「ネクストモバイルの速度制限」を確認してみます。
速度制限の検証項目
- 3日で3GB以上使っても速度制限されないのか?
- 3日で10GB以上使っても速度制限されないのか?
- 契約プランのギガ数を使い切ったらどうなるのか?
検証の方法
本当は、動画の連続視聴によりデータ容量(ギガ)を消費していき、通信容量に応じて速度を測定していきたいのですが、この方法だと検証に時間がかかり、またずっとパソコンに張り付いていないといけません。
このため、今回の検証ではレンタルサーバーにアップロードした1GBちょっとのファイル(CDのISOファイル)を連続してダウンロードすることでデータ容量(ギガ)を消費していき、適時速度測定を行って行きます。
3日で3GB以上を使ってみる
まず、3日と言わず短期間でデータ容量をガンガン消費していきます。
レンタルサーバーに置いた1GBちょっとのISOファイルをパソコンでガンガンダウンロードし、データ通信容量を消費していきます。
ブラウザ「Chrome」でのダウンロード画面で、こんな感じです。
そして、一気に1日で3GBを消費してみました。管理画面より「送信:706MB / 受信2.56GB」で、データ消費量としてちょうど3GBと少しです。
この時点で速度測定してみましたが、相変わらずの高速通信でした。確認のために大事をとり、翌日に速度測定した結果は以下の通りです。
これにより、「ネクストモバイルでは3日で3GBの速度制限はない」と言えます。
3日で10GB以上を使ってみる
ネクストモバイルを一気に「1日で3GB」使ってみましたが、速度制限がかかることはありませんでした。
次に翌日(2日目)には10GBまで消費してみます。前日の3GBと合わせて「2日で10GB」を検証となります。
1日目と同じように、レンタルサーバーから約1GBのISOファイルをダウンロードします。
そして、データ通信量が10GBを超えたところで一旦確認します。
通信量が10GBを超えたことを確認し、大事を取り翌日(3日目)に速度測定をしてみた結果が以下の画面です。
この時点で「ネクストモバイルは3日で10.23GB使っても速度制限なし」と言えます。
フラット20GBプラン(20GBプラン)で20GB以上を使ってみる
ここまでの検証で、ネクストモバイルは「3日で3GB制限なし!」「3日で10GB制限なし!」ということが検証できました。
私のネクストモバイルは「フラット20GBプラン」の20GBプランです。現在、10GBを消費しているので、せっかくなのでこのまま一気に20GBを全部消費してみて、どうなるかを見てみましょう。
私のネクストモバイルは「フラット20GBプラン」の20GBプランですが、20GBを超えてもどんどんダウンロードをし続けた場合に、なんと25.9GBまで高速でダウンロードができました。
ちょっと小さいですが、ルーター「FS030W」のデータ容量の部分が「25.9GB / 20.0GB」となっています。
左側の数字が今月のデータ通信容量、右側の数字が契約データ容量(20GB)です。
20GBプランの契約で25.9GB使えている、という状態になっています。
そして、この状態でも速度測定結果は高速です。
そして、さらにダウンロードをガンガン続けながら速度測定をしていると、ある時速度測定アプリで通信エラーが発生しました。
どうやら、速度測定アプリがエラーとなるくらいの速度制限がかかったようです。
この時点で、ブラウザでYahoo!JAPANなどを開くことはできるのですが、全部表示されるのに3分ほどかかる速度です。
そして、この時点でのデータ通信容量はなんと37.3GBとなっていました。
容量20GB制限の「フラット20GBプラン」契約で、37.3GBを使ったところで、速度制限がかかったということになります。
ネクストモバイルでは契約プランに応じたデータ通信量(ギガ)を使い切っても、即時で速度制限がかかるわけではないようです。
また、「午前0時に速度制限チェック」というタイミングでも無いようです。
おそらくですが、数時間おきにデータ通信量(ギガ)をチェックし、契約プランのデータ容量を超えている回線に対して速度制限をかけていると思われます。
検証結果
3日で3GB以上のデータ通信について
ネクストモバイルの公式サイトには「3日で3GBや、3日で10GBを使っても速度制限がありません」との記載があります。
実際に「3日で3.8GB」を使ってみましたが、速度測定の結果は以下の通りです。
ネクストモバイルでは「3日で3GB以上使っても速度制限はかからない」という結果になりました。
ポイント
ネクストモバイルは「3日で3GBの速度制限はない!」
3日で10GB以上のデータ通信について
次に、WiMAXやYahoo!モバイルで導入されている「3日で10GB」の速度制限ルールですが、ネクストモバイルでは、この「3日で10GB以上使っても速度制限はない」との記載があります。
実際に「3日で11.9GB」を使ってみましたが、速度測定の結果は以下の通りです。
ネクストモバイルでは「3日で10GB以上使っても速度制限はかからない」という結果になりました。
ポイント
ネクストモバイルは「3日で10GBの速度制限はない!」
フラット20GBプラン(20GBプラン)で20GB以上のデータ通信について
私のネクストモバイルは毎月使えるデータ容量が20GBまでの「フラット20GBプラン」です。
実際に20GBを消費したあとも、さらにダウンロードを継続してみました。
20GBを超えた時点で速度制限がかかることもなく、なんと28GBまでデータ通信した時点でも速度測定の結果は30Mbpsを超える高速通信ができてしまいました。
つまり、契約容量の20GBを超えてもすぐに速度制限がかかるわけではないようです。
そして、通信データ容量が35GBを超えた時点で、速度測定アプリが「通信エラー」となるほどの低速通信となり、Yahoo!ホームページを開くにも3分ほどかかるほど遅くなりました。
契約容量を超えての速度制限がかかると、速度測定アプリでさえ通信エラーとなるほど遅くなります。
このことから、以下のことが言えます。
ポイント
- 契約プランのデータ容量を使い切っても、すぐに速度制限がかかるわけではない
- 一定の時間間隔(1時間毎とか2時間毎とか)でデータ容量をチェックしていると思われる
- データ容量のチェックが行われると、速度制限がかかる
速度制限がかかると実際の通信速度は使い物になりません。
ただし、契約プランのデータ容量を超えても、チェックされるまでは高速通信を使い続けることが可能です。
チェックは一定の時間間隔で行っているようで、「毎日午前0時」などではないようです。
※月末日はギガを使い切ってしまおう!使えるまで使おう!
ネクストモバイルをスマホで使ってみる
そいううことで、ちょっとだけですがネクストモバイルで提供されている「ソフトバンクマルチUSIM(F)」をSIMフリースマホで使ってみました。
はたして使えるのでしょうか?
SIMフリーNexus5で使ってみる
まず、私の手持ちのSIMフリースマホで現在はWi-Fi専用機として遊んでいる「Nexus5」で使ってみます。
このNexus5は旧イーモバイル時代にセット契約したスマホで、最初からSIMロックはかかっておらずSIMフリー状態のスマホです。
APNを設定してみる
LTEを掴んだ
速度計測
SIMフリーZenFone3で使ってみる
次に、手持ちのSIMフリースマホ「ZenFone3」で使ってみます。
ZenFone3はドコモ・au・ソフトバンクの主要周波数帯をほぼカバーしており、さらに2枚のSIMを同時に使えるDSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)の高機能スマホです。
SIMを挿してみる
SIMを装着してみます。
ZenFone5はデュアルSIM(SIMが2枚挿せる)なので、SIMを装着した時点で確認のダイアログが表示されます。
今回はネクストモバイルのSIMをZenFone3の「SIM1」に挿しているので、「SIM1(利用可能)」で間違いないことを確認し、「モバイルデータをオンにする」をチェックして、そのまま「OK」です。
APNを設定してみる
Nexus5の場合と同様に、まずはAPNを設定します。
APN設定内容はソフトバンク公式ページに記載されています。
他社が販売する携帯電話をソフトバンクで利用する | ソフトバンク
この内容そのままでAPN設定を行います。
SIMの設定を確認
ZenFone3のデュアルSIMの設定を確認してみます。
ZenFone3はSIMが2枚挿せるデュアルSIMなのですが、今回は「SIM1」側にネクストモバイルのSIMを挿しています。
SIMは1枚しか挿していないので、この時点ですでに「4G」の電波を掴めています。
速度測定してみる
速度を計測してみました。
- 下り55.1Mbps
- 上り26.0Mbps
速いっ!
さっきのNexus5の時よりも速いですね。
時間は休日(土曜日)の20時台なので、ネットワーク的には混雑している時間帯ですが、そんなのお構いなしに高速です。
2枚のSIMを挿してみる
ZenFone3はせっかくのデュアルSIMなので、SIMを2枚挿してみましょう。
「SIM1」側には音声通話もできる「ワイモバイル・スマホプラン」のSIMを挿します。
「SIM2」側にはネクストモバイルのSIMを挿します。
この時点で、「データ通信はどちらのSIMで行いますか?」という意味で、確認のダイアログが表示されます。
データ通信はネクストモバイルの「SIM2」で行うため、「SIM2」を選びます。
デュアルSIMの設定確認
SIM1(ワイモバイル)設定確認
「モバイルネットワークの設定」からSIM1側のワイモバイル設定を確認します。
SIMを挿した時点の確認ダイアログですでに「データ通信はSIM2(ネクストモバイル)」と指定しているため、すでにSIM1側(ワイモバイル)は有線ネットワークが「2G/3G」となっています。
つまり、「4Gによるデータ通信は行わない、3Gによる通話のみ行う」という設定です。
SIM2(ネクストモバイル)設定確認
そして「モバイルネットワークの設定」からSIM2側のネクストモバイル設定を確認します。
こちらもすでに「データ通信を有効にする」になっており、有線ネットワークには「2G/3G/4G」が選択されています。
つまり、このSIM2を使って4G(LTE)によるデータ通信を行う、という設定です。
とくに面倒な設定もなく、最初に「どちらのSIMでデータ通信しますか?」のダイアログで「SIM2側(ネクストモバイル)」を指定しただけですが、すでにSIM1/SIM2どちらも電波を掴んでいるのがわかります。
SIMフリーiPhone8で使ってみる
最期にアップルストアから購入したSIMフリーの「iPhone8」で使ってみます。
構成プロファイルのインストール
iPhoneへSIMを挿した場合には構成プロファイルのインストールが必要です。
iPhoneは標準で非常に多くの通信事業者のプロファイルを持っているので、もしかすると「ソフトバンクマルチUSIM(F)」用のプロファイルも持っているかな?と思いましたが、SIMを挿しただけではアンテナピクトが「Softbank 3G」のままでした。
ちなみに、この「Softbank 3G」の状態で3G回線によるデータ通信は可能でした。
ネットをググると、有志がソフトバンクマルチUSIM(F)用の構成プロファイルを提供してくれていたので、そのプロファイルをインストールします。
電波を掴んだ!
構成プロファイルをインストールしてみました。
私の場合、構成プロファイルをインストールしただけでは「Softbank 3G」の表記のままであり、4G(LTE)の電波を掴めていませんでした。
なので、一旦機内モードをオンにし、直後にオフにすることで、無事「Softbank 4G」の表記となり、4G(LTE)の電波を掴むことができました。
インターネット共有をオンにしてみる
テザリングはできない(みたい)
残念ながらそのままでインターネット共有はオンにできず、ソフトバンクのウェブサイトへ誘導されるダイアログが表示されました。
現在(2018年5月)ソフトバンクは格安SIMなどのMVNO事業者へテザリングを公開しておらず、「2018年春を目途にテザリングを公開する」とアナウンスされているようです。
なので、今はテザリングできませんが、もしかすると近日中にできるようになるかもしれません。
まとめ
ネクストモバイルの魅力
ネクストモバイルの通信サービスはソフトバンクの「Softbank 4G LTE」と「Softbank 4G」の両方が標準で使えます。
これをWiMAX(KDDI系列)に置き換えてみると「WiMAX2+通信とau 4G LTEが使える」ということになりますが、残念ながらWiMAXの場合には「つながりやすいau 4G LTE」が標準サービスではありません。
ネクストモバイルの魅力は、この「つながりやすいSoftbank 4G LTE」が標準で使えて、大容量(20GB/50GB/無制限)の高速通信が可能という点です。
そして、その高速・大容量通信サービスを月額2,400円から提供しています。
ネクストモバイル | |||
---|---|---|---|
フラット20GBプラン | フラット30GBプラン | 使い放題プラン | |
月額利用料 | 2,400円 | 2,700円 | 3,100円 |
月間データ容量 | 20GB | 30GB | 上限なし (使い放題) |
速度制限 | なし | ||
初期費用 | 3,000円 |
ネクストモバイルは短期速度制限のない真の使い放題ができるサービスであり、またそのサービスが「ソフトバンクマルチUSIM」で提供されている、という点が特徴です。
スマホでのデータ通信可能・テザリング不可(?)
今回、ネクストモバイルが提供している「ソフトバンクマルチUSIM(F)」をスマホに直接挿してで使ってみました。
「ソフトバンクマルチUSIM(F)」はソフトバンクがSIMフリースマホ向けに提供している、「IMEI制限のないSIM」です。
APNを正しく設定することで、SIMフリースマホでも使えることがわかりましたが、残念ながら現時点では「テザリングはできない」ようです。
ソフトバンクは格安SIMなどのMVNO事業者へ、今春(2018年)を目途にテザリングを解放する、とアナウンスしていることから、今後ネクストモバイルのSIMでもテザリングができるようになるかもしれません。
2018/11/7追記:テザリング可能
SIMフリーAndroidスマホおよびSIMフリー版iPhone7/8でのテザリングができることを確認しました。
また、WiMAX2+向けのSIMフリーホームルーター「Speed Wi-Fi HOME L01s」でも利用できることを確認しました。
高速なデータ通信サービス
今回、直接スマホからの速度測定を行いました。
休日(土曜日)の20時台と、一般的にはネットワークの混雑する時間帯ですが、そんなのお構いなしに「下り55Mbps」という高速通信ができました。
大容量のデータ通信料金だけなら、格安SIMという選択もありますが、格安SIMではこの時間帯にこれほどの通信速度は出せません。
ネクストモバイルの魅力は「繋がりやすい電波が使える」「それも最大で月に50GBまで」という大容量・高速通信サービスが、「月額2,670円から使える」という点にあります。
毎月のデータ通信容量を50GBまでに抑えられる人であれば、ネクストモバイルは最強のデータ通信サービスと言えるでしょう。
スマホでの利用は自己責任
ネクストモバイルのサービス提供規約には以下の記載があります。
- 専用のAPNに接続された国内モバイルデータ通信のみ定額対象となります。専用APN以外に接続されたモバイルデータ通信は定額対象外となりパケット通信が高額となる場合があります。ご利用時には端末設定情報に注意の上、ご利用ください。
- 当社より提供するSIM カードを本サービス提供端末以外(他端末・SIMロックフリー端末含む)に挿入して利用した場合、APN 設定が異なるため定額対象外となり、パケット通信が高額となる場合があります。
ネクストモバイルから提供される通信サービスは、「正しいアクセスポイントで利用」「同時に提供されるルーター端末で利用」を前提とし、これに反した場合には「定額サービスとならない場合がある」ということです。
ネクストモバイルのSIM(マルチUSIM(F))を提供ルーター以外で使用するのは、自己責任ということです。
私も今回少々のデータ通信を「提供されたルーター以外」のスマホでやっちゃっているので、来月の請求書を震えながら待つこととします。
2018/7/22追記:ネクストモバイル請求明細
5月にネクストモバイル(NEXTmobile)を契約し、ある時はモバイルルーターとしてそしてまたある時はSIMフリースマホに挿してネクストモバイルを使ってきました。
月に20GBの契約容量ですが、私の場合にはこれで十分な容量であり、かつWiMAXと比較しても広いエリアで快適に使えるモバイルサービスであることを実感しています。
そして、前述した「同時に提供されるルーター端末以外での利用は定額サービスとならない場合がある」という言葉におびえながら毎月の請求を待っていましたが、利用開始から三か月を過ぎた今のところはすべて定額サービスの範囲内となっています。
よほど極端な使い方をしない限りは、SIMフリースマホでの利用についても寛容のようです。
※ご利用は自己責任で(笑)