モバイルルーター(Wi-Fi)では圧倒的なシェアを誇るWiMAX2+サービスですが、昨年から「ネクストモバイル」という新しい通信サービスがシェアを伸ばしてきています。

ネクストモバイルはソフトバンクの回線を使ったサービスなので、モバイルルーターとしてみるとSoftbank AirやYahoo!Wi-FiやワイモバイルのPocket Wi-Fiと同様のサービスに思えますが、これらの通信サービスとは決定的に違う大きなメリットを持つ、なかなか良さげな通信サービスとなっています。

この記事では、ネクストモバイルの何が良いのか、WiMAXと比べてどうなのかを比較・検討してみます。




ネクストモバイルの魅力

ネクストモバイルってどんなサービスなのかを、公式サイトに記載されているアピールポイントからまとめてみます。

ネクストモバイル公式ページ | ネクストモバイル

たっぷり使えて月額2,760円から


「圧倒的コスパ」と記載されていますが、ネクストモバイルの料金体系は以下のようになっています。

ネクストモバイル
ギガネクスト20 ギガネクスト30 ギガネクスト50
月額利用料 2,760円 3,490円 4,880円
月間データ容量 20GB 30GB 50GB
速度制限 なし
初期費用 なし

このように、ネクストモバイルはWiMAXのように「使い放題」ではありませんが、最大50GBまでという大容量のプランを非常に安価で提供しているサービスと言えます。

速度制限なし


ネクストモバイルはプランによって毎月の使えるデータ量が決まっていて、その量を超えると月末まで128Kbpsに速度が制限されます。この「月のデータ量を超過した場合の速度制限」はWiMAXでもPcket Wi-Fiでも同じですね。

しかし、ネクストモバイルは「毎月のデータ容量を超えた場合の速度制限以外の制限が一切なし!」と謳っています。

たとえばWiMAX2+でも、毎月のデータ容量を超過した場合以外において「3日で10GBを超過した場合の速度制限」というルールが存在します。

このような「但し書き」の制限が一切なく、毎月のデータ容量の範囲内であれば全力で高速通信が利用できる、というのが「速度制限なし!」となります。

広いエリアで利用可能


そして、この「広いエリアで利用可能」というのが結構強力なポイントになります。

ネクストモバイルはソフトバンクの「Softbank 4G LTE」および「Softbank 4G」による通信サービスです。

「Softbank 4G LTE」はスマホや携帯電話で音声通話・データ通信に使われている通信方式であり、「つながりやすい」という特徴の電波です。WiMAXでいえば「au 4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)」に当たります。

「Softbank 4G」は主にデータ通信で利用される「高速で比較的回線に余裕のある」通信方式であり、この「Softbank 4G」は別名「AXGP」とも言われ、Softbank AirやPocket Wi-Fiでも利用されているデータ通信方式です。WiMAXでいえば「WiMAX2+(ハイスピードエリアモード)」にあたります。

WiMAX2+通信やAXGP(Softbank 4G)による通信よる通信は「au 4G LTE」や「Softbank 4G LTE」による通信よりも「高速で回線に余裕がある」という特徴があり、データ通信の「使い放題」に向いている通信方式ですが、反面「障害物に弱い」という弱点があるため、WiMAXもそうですが「つながらない場所が多い」という不満が出てくるわけです。

ネクストモバイルは大容量通信ができるうえに、標準で「Softbank 4G LTE」による通信ができることから、毎月のデータ容量の範囲内においてはWiMAXよりも繋がりやすい、と言えます。

この点で、ネクストモバイルはWiMAX2+よりも広いエリアでつながりやすい、と言えます。

これ以外の特徴

ネクストモバイルの公式サイトではこの「たっぷり使えて月額2,760円から」「速度制限なし」「広いエリアで利用可能」という特徴以外に以下2点の特徴をアピールしています。

  • 最短申込当日発送
  • 端末代金無料キャンペーン

この2点については、通信サービスには関係のないことなのでこの記事では触れません。


ネクストモバイルを見てみる

ネクストモバイルのWiMAXに対する優位性

「速度制限なし」の魅力

たとえばWiMAXの「ギガ放題」を契約していても、3日間で10GB以上のデータ通信を行うと速度1Mbps程度に速度制限されてしまいます。

この1Mbpsという速度は標準画質の動画が見れるか見れないか、という微妙な通信速度になります。

対してネクストモバイルの場合は月間の契約データ容量を超えない限りにおいて通信制限が一切ありません。

たとえば、5月の連休などで集中してYouTubeなどを見まくるとした場合、WiMAXだとギガ放題契約であっても連休の途中でおそらく「3日10GB」の制限にかかり、快適さは低下するでしょうが、ネクストモバイルだと契約プランの範囲内において、快適さが低下することなく動画が見れます。

「広いエリアで利用可能」の魅力

そしてネクストモバイルの最大の魅力がこの「広いエリアで利用可能」です。

別にWiMAXのエリアが狭いというわけではありませんが、WiMAXが主として使っている「WiMAX2+方式(ハイスピードエリアモード)」は障害物に弱い、という特徴があります。

たとえば、大きなビルの中の奥まった場所や地下街などで電波が入りにくくなります。

また、自宅などでの利用においても、周りに大きなビルなどがあれば自宅で電波が入らない、という場合もあるでしょう。

この場合、WiMAXではLTEオプションを使って「ハイスピードプラスエリアモード」による通信で「つながりにくい」を回避することができます。

ですが、「ハイスピードプラスエリアモード」を使うとギガ放題契約であっても月間のデータ容量は7GBまでに制限されるし、LTEオプション料金が別途月額1,005円必要となります。

ネクストモバイルは標準で「障害物にも強いSoftbank 4G LTE通信」が利用できるため、毎月の契約プランの範囲内においては標準的に(自動的に)「つながりやすい4G LTE」を使って通信することができます。


ネクストモバイルを見てみる

FD-LTEとTDD-LTEの違い

ネクストモバイルの良さを理解するために、ちょっとだけ「電波」について説明します。

電波にはFD-LTEとTDD-LTEがある

現在、スマホやモバイルルーターが使っている電波には「FD-LTE」という方式の電波と「TDD-LTE」という方式の電波があります。

この2つの特徴は以下の通りです。

FD-LTE TDD-LTE
ブランド Xiクロッシー(ドコモ)
au 4G LTE(au)
Softbank 4G LTE
WiMAX2+(au)
Softbank 4G/AXGP(ソフトバンク)
仕組み 携帯電話の音声通話から発展 無線通信のデータ通信から発展
メリット 繋がりやすい
障害物に強い
データ通信が高速
比較的回線に余裕がある(混雑していない)
デメリット 音声通話でも使っているため、混雑している ビル陰や地下街など障害物に弱い(繋がりにくい)

ざっくりと、スマホで使うのは主にFD-LTEで、モバイルルーターで主に使うのはTDD-LTEと考えてください。

FD-LTEとは

「FD-LTE」とは、おもに携帯電話の音声通話の仕組みから発展してきた通信方式です。

ドコモの「Xi(クロッシ)」auの「au 4G LTE」ソフトバンクの「Softbank 4G LTE」がFD-LTE通信方式を採用しています。

これら各社のFD-LTE通信はビルの陰や地下街など「障害物に強い」周波数帯を使っています。

このため、FD-LTE通信方式の特徴としては「障害物に強くて繋がりやすい」というメリットがあると同時に、主に音声通話にも使われていることから比較的回線が混雑しているというデメリットがあります。

TDD-LTEとは

対して「TDD-LTE」は無線通信技術から発展してきた通信方式です。

auの「WiMAX2+」やソフトバンクの「AXGP(Softbank 4G)」がTDD-LTE通信にあたります。

このため、FD-LTE通信よりも通信が効率よくおこなわれる仕組みであり、一般的にはFD-LTE通信よりも「高速通信が可能」であると同時に「主として音声通話で使われていないため、比較的回線に余裕がある」という特徴があります。

ただし、使っている周波数帯が高周波であることから「障害物・地下街などに弱い(つながりにくい)」というデメリットがあります。

「使い放題」の仕組み

このように、TDD-LTE(AXGP/WiMAX2+)は「高速通信ができる」と同時に「比較的回線に余裕がある」という特徴があります。

WiMAXをはじめとして、Softbank AirやPocket Wi-Fiの一部のサービスが提供している「使い放題」「無制限」のサービスはこの「比較的回線に余裕のある」回線であるTDD-LTE(AXGP/WiMAX2+)を使ったデータ通信だからこそ実現できるサービスです。

一方で「au 4G LTE」や「Softbank 4G LTE」などのFD-LTEはスマホが音声通話やデータ通信で主として使っている通信であるため、「比較的混雑」しており「使い放題にはできない」という実情があるわけです。

WiMAXはハイスピードエリアモード(WiMAX2+による通信)では「使い放題」ですが、これはWiMAX2+通信が「比較的回線に余裕のある」TDD-LTE通信だからです。

また、Softbank Airなどが「使い放題」なのも「AXGP(Softbank 4G)」による「比較的回線に余裕のある」TDD-LTE通信だからです。

使い放題だけどつながりにくい

WiMAXやSoftbank Airの口コミなどでよくみられるのが「つながらない!」というものです。

これは主にWiMAXやSoftbank Airが「高速・大容量だけど障害物に弱い」という特徴のTDD-LTE(WiMAX2+/AXGP)を使ったサービスだからでしょう。

TDD-LTEのエリアが狭いとか電波が弱いということはありません。各社のTDD-LTEのエリアはほぼ全国で人口カバー率99%を達成しています。

しかし、「障害物に弱い」という致命的な特徴があります。

すぐそこまで電波は来ているのに、自分(ルーター)がちょっとした物陰にあるため、電波が入らないということです。

このように、TDD-LTE通信は「高速で比較的回線に余裕がある」からこそ「使い放題」のサービスを提供できる反面、「障害物に弱い」という電波特製のためにちょっとした障害物によって「つながらない」となる場合もあるわけです。


ネクストモバイルを見てみる

使い放題のモバイルWi-Fiサービス

WiMAXの最大の魅力は「ギガ放題」プランでしょう。

毎月のデータ使用量に上限がなく、「3日で10GB以上」を使ってしまった場合の速度制限も1Mbps程度であり、標準画質の動画は見れなくもない、という仕様は魅力的です。

多少の条件はあっても、WiMAX以外で「使い放題」を提供しているのは、以下のサービスくらいです。

  • Softbank Air
  • Pocket Wi-Fi(アドバンスモード)

Softbank Air

Softbank AirもWiMAXと同じく「使い放題」を謳っているサービスです。

このSoftbank Airは専用ルーターに家庭用電源(AC100B)が必要なことからモバイルルーターとしての利用はできませんが、工事不要で高速回線を設置できることから、賃貸契約などの理由や提供エリアの問題などから光回線の代わりに利用される方が多い人気の通信サービスです。

このSoftbank Airが「使い放題」を実現できているのも、主として利用している通信方式がAXGPというWiMAX2+通信と同じ通信方式を使っているからです。

よって、Softbank AirもWiMAXと同様に「自宅設置場所の状況や、自宅周辺の状況によってはつながりにくい」という特徴があります。

Pocket Wi-Fi(アドバンスモード)

また、ワイモバイルやYahoo!Wi-Fiが提供しているPocket Wi-Fiの中の一部の機種でも「使い放題」を提供しているサービスがあります。

これらのサービスは「アドバンスモード利用時のみ使い放題」となっています。この「アドバンスモード」とはTDD-LTE通信に限定した通信モードであり、WiMAX2+の「ハイスピードエリアモード」と同じです。

アドバンスモードで電波の入りが良くない場合には「通常モード」に切り替えることでつながりやすい「Softbank 4G LTE(FD-LTE)」を利用することができますが、この「通常モード」での通信の場合には月間7GBが上限となり「使い放題」にはなりません。

この仕組みはWiMAXの「ハイスピードプラスエリアモード」と同じですね。

「使い放題」サービスの仕組み

このように、モバイルWi-Fiの「使い放題」の仕組みは、回線に余裕があるTDD-LTE方式を使うことで実現できるサービスです。

「au 4G LTE」や「Softbank 4G LTE」などのFD-LTE通信方式は「つながりやすい」けれどもスマホ・携帯の音声通話でも使っている方式であることから「使い放題」のサービスとして利用するのは難しいのです。

スマホで主流のFD-LTE通信が混雑によって「音声通話の障害」を起こすとすぐにニュースになりますし、なによりも総務省から叱られてしまうからです。


ネクストモバイルを見てみる

ネクストモバイルの強み

大容量でFD-LTEが使える

このように「使い放題」のサービスにとってTDD-LTE通信を中心としたサービスであることは必須条件となります。

どんな場所でもつながりやすいFD-LTEによるデータ通信を「使い放題」とすることは難しいのです。

ネクストモバイルの強みはこのFD-LTE方式である「Softbank 4G LTE」が最高で月に50GBまで使える、大容量が「つながりやすいSoftbank 4G LTEで使える」という点にあります。

スマホではいくらになる?

では、ネクストモバイルの強みである「大容量FD-LTE通信」を、同じFD-LTE通信を主としているスマホのプランと比較してみましょう。

20GBプランで比較

データ通信容量20GBでの大手キャリアとの比較です。

プラン名称 月額料金
ネクストモバイル ギガネクスト20(20GB) 2,760円
ドコモ ウルトラデータLパック(20GB) 6,000円
au データ定額20(20GB) 6,000円
ソフトバンク ギガモンスター(20GB) 6,000円

30GBプランで比較

データ通信容量30GBでの大手キャリアとの比較です。

プラン名称 月額料金
ネクストモバイル ギガネクスト30(30GB) 3,490円
ドコモ ウルトラデータLLパック(30GB) 8,000円
au データ定額30(30GB) 8,000円
ソフトバンク

50GBプランで比較

データ通信容量50GBでの大手キャリアとの比較です。

プラン名称 月額料金
ネクストモバイル ギガネクスト50(50GB) 4,880円
ドコモ
au
ソフトバンク ウルトラギガモンスター(50GB) 7,000円

比較結果

このように、FD-LTEを使った通信はどこでもつながりやすい通信サービスですが、ネクストモバイルと同じくらいの大容量を使った場合には大手各社のプランよりも大幅に安く設定されています。

具体的にはネクストモバイルは大手キャリアに比べて約半分の料金で高速通信を利用することができる、と言えます。

格安SIMと比べてみる

また、最近では「データ通信が劇的に安くなる」という格安SIMが人気です。格安SIMを使えば同じデータ通信容量でも大手キャリアより大幅に安くなることが期待できます。

イオンモバイルの大容量プランと比較

ここでは、ネクストモバイルと同程度の大容量プランを契約できるイオンモバイルの料金プランと比較してみます。

容量プラン ネクストモバイル イオンモバイル
20GBプラン 2,760円 3,980円
30GBプラン 3,490円 5,380円
50GBプラン 4,880円 10,300円

比較結果

このように、大容量プランを安価で提供している格安SIMのイオンモバイルと比べてもネクストモバイルの方が安くなり、特に容量が大きくなるほど価格優位性が大きくなってきます。

そして、格安SIMと比べる場合の決定的な違いとして「混雑時間帯の通信速度」があります。

格安SIMの通信速度は朝8時台・昼12時台・夕方18時~19時に猛烈に混雑し、通信速度が1Mbpsも出ない、という現象が通常です。

これに対し、ネクストモバイルは同様の時間帯においても安定的に大手キャリアと同等の回線速度がでます。

このように、ネクストモバイルは格安SIMに対しても「安くて速い」という優位性があります。

WiMAXの優位性

このようにネクストモバイルは「速い・安い・つながりやすい」という非常に魅力的な通信サービスです。

ここで、当サイトはWiMAXをテーマとしたサイトなので、WiMAXの優位性についても書いておきます(笑)。

WiMAXの魅力は何と言っても「ギガ放題プラン」の「使い放題」です。

WiMAXは「障害物に弱い」という特性を持つWiMAX2+(TDD-LTE)を使ったサービスですが、この場合の「つながりにくい」は利用者の行動範囲によって決まります。

つまり、自宅や行動範囲において安定してWiMAX2+(TDD-LTE)の電波を受信できるのであれば「つながりにくい」は全く問題とならず、定額で使い放題の最強のサービスになります。

さすがにネクストモバイルは「使い放題」のサービスは提供できていません。


ネクストモバイルを見てみる

まとめ

モバイルルーターを検討中の方に、「こんな人はネクストモバイルに向いている」という点を最後にまとめておきます。

自分のデータ容量がわかっている人

自分がモバイルルーターで使う毎月のデータ容量がわかっている方、特に「自分はあまり使わないからギガ放題じゃなくて通常プラン(7GB制限)でいいや!」と考えている方に、ネクストモバイルはオススメしたいですね。

行動範囲にもよりますが、WiMAXが主として使う電波(WiMAX2+)よりもネクストモバイルの「Softbank 4G LTE」の方がつながりやすい、と言えます。

そのうえで、WiMAXの通常プラン(7GB制限)は最安でも月額2,500円ほどとなりますが、ほぼ150円を追加することでネクストモバイル20GBが利用できます。

参考WiMAXの2年総額から最安のWiMAXを探す

LTEオプションをご利用の方

WiMAXを利用中に「電波の入りが悪くなった」という場合には通常の「ハイスピードエリアモード」から「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えることで、電波の入りやすいFD-LTE(au 4G LTE)を利用することができます。

これにより、WiMAX2+が苦手とするビルの陰・奥まった場所・地下街などでも快適にWiMAXを利用することができますが、この場合LTEオプション料金として利用月に限り月額1,005円が請求されます。

また、この「ハイスピードプラスエリアモード」による通信はギガ放題プランでの契約であっても月間7GBまでの制限を受け、7GBを超えると月末まで128Kbpsに速度制限されてしまいます。

WiMAXの「ギガ放題」プランの2年契約での最安値は月額3,000円ほどですが、これにLTEオプション料金を加えると月額4,000円ほどとなります。

参考WiMAXの2年総額から最安のWiMAXを探す

これに対し、ネクストモバイルであれば標準でLTEオプションと同等の「Softbank 4G LTE」が使えるうえ、月に30GBプランで月額3,490円、月に50GBプランだと月額4,880円です。

つまり、「月に50GBでも足りない」という方はWiMAXを選択、「月に50GBには収まるかな?」とお考えの方にはネクストモバイルは検討する価値のある通信サービスだと言えます。