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UQコミュニケーションズより新通信サービス「WiMAX +5G」が登場しました。
目玉は「高速5G通信対応」となりますが、従来サービス「WiMAX2+」もまだまだ継続して提供されています。
この記事では新サービス「WiMAX +5G」と従来サービス「WiMAX2+」はどう違うのか?新サービス「WiMAX +5G」はどんな通信サービスなのか?について、主に「WiMAX +5G」と「WiMAX2+」を比較したメリット・デメリットをまとめることで、その違いを詳しく説明していきます。
目次
WiMAX +5Gのデメリット
デメリット① 5Gエリアがまだ狭い
「WiMAX +5G」サービスの最大のウリは「超高速通信5G対応」です。
しかし、au5Gの関東圏におけるエリアマップは2021年1月時点で以下のようになっており、「赤」「紫」のエリアが5Gエリアです。
「赤?」「紫?」、見えませんよね。
現在の5GエリアはKDDIに限らずまだまだ「エリア(範囲)ではなくピンポイント」です。
これがエリアとして拡大されていき、全国の広い範囲で5G通信が快適に利用できるようになるまでにはまだ相当時間がかかります。
現時点では新サービス「WiMAX +5G」で「5G通信を満喫しよう!」というわけにはいきません。
デメリット② 5Gエリア内でもフル活用できない
「運よく5Gエリア内で使える」という場合でもWiMAX +5Gサービスには注意が必要です。
5G高速通信の醍醐味は「n257」と呼ばれる周波数帯、いわゆる「ミリ波」を使った通信です。
この周波数帯を利用することで「下り最大2.7Gbps」という超高速通信が利用できるようになります。
しかし「WiMAX +5G」でこのミリ波(n257)を使った通信をするためには「プラスエリアモード」という通信モードを利用することになります。
「プラスエリアモード」を利用する場合には別途オプション料金が設定されています(1,100円/月)。
また、「プラスエリアモード」での通信は「月間7GBまで」と上限が定められていて、この「月間7GB」を超過すると「プラスエリアモード」での通信速度は128Kbpsともはや使い物にならないほど遅くなります。
デメリット③ 月額料金が少し高くなる
サービスの向上(5G通信による高速化)により、WiMAX +5Gの標準月額料金は従来サービス「WiMAX2+」より少し高く設定されています。
WiMAXを運営するUQコミュニケーションが設定している標準価格は以下のようになります。
WiMAX +5G (新サービス) |
WiMAX2+ (従来サービス) |
|
---|---|---|
標準月額料金 ※参考価格 |
4,818円/月(税込) | 4,455円/月(税込) |
実際の提供価格はサービスを提供するプロバイダーのキャンペーン等により決まりますが、傾向として「従来サービスWiMAX2+より少し高くなる」と見ておくべきでしょう。
デメリット④ ルーターも高くなる
新サービス「WiMAX +5G」のルーターでも新しく5Gに対応したことで、ルーター代金が高くなっています。
WiMAX +5G (新サービス) |
WiMAX2+ (従来サービス) |
|
---|---|---|
5G対応ルーター ※参考価格 |
25,000円程度 | 10,000円~ ※機種により異なる |
しかし、従来サービス「WiMAX2+」でもプロバイダーのキャンペーンにより「機種代金無料」という特典があり、また先行して新サービス「WiMAX +5G」を提供しているプロバイダーの中にも「5G対応ルーター無料」の特典を提供しているところがあります。
キャンペーン特典でも「機種代金無料」となる点はWiMAX通信サービスの大きな魅力です。
デメリット⑤ WiMAX2+対応ルーターは使えない
現在WiMAX2+サービスをご利用の方、「5G通信も使えない(5Gエリアが狭い)のに5Gルーターは高い」「だったら今使っている4GのWiMAX2+ルーターでWiMAX +5G」を使いたい」と思う方も多いでしょう。
WiMAX +5Gの通信サービスを利用するためには専用ルーターが必要であり、従来サービス「WiMAX2+」専用ルーターは「WiMAX +5G」では使えません。
デメリット⑥ 対応プロバイダーがまだ少ない
WiMAX通信サービスの特徴は多くの通信事業者が自社ブランドとしてサービス提供していることです。
通信サービス自体はどの通信事業者と契約しても全く同じサービスですが、「初期費用」「月額料金」「端末代金」などのコストや「キャッシュバック」「月額料金割引」などのキャンペーン特典が異なります。
つまり、WiMAXサービスは通信事業者間の競争によって、よりおトクに使える通信サービスと言えます。
ただし「WiMAX +5G」はまだ始まったばかりのサービス、「WiMAX +5G」を提供している通信事業者はまだまだ多くなく、私たちにとってはまだ選択肢が多くありません。
デメリット⑦ auスマートバリューが適用されない
従来サービス「WiMAX2+」ではauスマホとのセット割引「auスマートバリューmine」の適用対象であり、WiMAX2+とauスマホのセット利用により最大1,100円/月もの割引を受けることができます。
新サービス「WiMAX +5G」はauスマートバリューの適用対象外です。
デメリットまとめ
つながりやすさと速さ
WiMAX +5Gは「超高速5G通信対応」が最大のウリですが、全国でどこでも・だれでも5G通信が利用できるようになるのはまだまだ先の話しです。
WiMAX +5Gの「5G通信対応」に期待してWiMAX +5Gを契約するのはまだ時期が早いと言えます。
お得度・安さはもう少し先か?
歴史的に多くの通信事業者がWiMAXを自社ブランドで提供しています。
この通信事業者間の競争により、WiMAXサービスは標準価格(初期費用・月額費用・端末代金など)が劇的に安くなる仕組みで提供されます。
しかし現時点では「WiMAX +5G」を提供している通信事業者は多くなく、おそらく2021年8月以降から増えていくと思われます。
通信事業者の価格競争により、よりおトクにWiMAX +5Gの契約プロバイダーを選べるのはもう少しだけ先になりそうです。
WiMAX +5Gのメリット
メリット① 全国で4Gでの繋がりやすさが向上した
WiMAX +5Gの最大のウリは「超高速5G通信対応」ですが、これは実はあまり大きなメリットではありません。
本当のメリットは「スタンダードモード(標準の通信モード)」で「つながりやすいau 4G LTEが使えるようになった」という点です。
従来サービス「WiMAX2+」の標準通信モード(ハイスピードモード)ではデータ通信に特化した「高速・大容量通信が得意なBand41/42(WiMAX2+)」だけが使えました。
この「Band41/42(WiMAX2+)」は比較的高周波数帯であるため、ビルの陰・室内・地下街などでは繋がりにくい・速度低下する、という特性があります。
新サービス「WiMAX +5G」はこの「高速・大容量に強いBand41/42」に加えて「つながりやすいau 4G LTE(Band1/3)」も標準通信モード「スタンダードモード」で使えるようになりました。
つまり、標準通信モードでの通信がよりつながりやすく・より速くなりました。
WiMAX +5Gの本当の最大の特徴は「標準通信モードでau 4G LTEが使える、より繋がりやすく速くなる」
メリット② auプラチナバンドも使える
WiMAX +5Gではオプション通信モード「プラスエリアモード」で超高速5G(n257)が使えますが、デメリットで述べたようにあまり使い道がありません。
実際のメリットは「au 4G LTEのプラチナバンド(Band18)が使える」という点にあります。
auプラチナバンドが使えることで、auスマホが使える場所ではまったく同じようにWiMAX +5Gも使えるようになりました。
プラスエリアモードの本当の最大の特徴は「auプラチナバンド(Band18)が使える」という点
メリット③ 通信速度も向上
従来サービス「WiMAX2+」が「Band41/42」を活用した通信サービスに対して、新サービス「WiMAX +5G」は「つながりやすいau 4G LTE」も活用した通信サービスとなりました。
これにより、WiMAX +5GはWiMAX2+に比べて断然つながりやすくなりました。
それと同時に、常に「より安定した電波」を利用できることで実際の通信速度も大きく向上(速く)しています。
メリット④ 速度制限ルールが「10GB/3日」から「15GB/3日」に緩和
従来サービス「WiMAX2+」は月間のデータ通信容量には上限がありませんでしたが、短期間の使い過ぎとして「3日で10GBを超過すると速度制限(1Mbps)」という速度制限ルールがありました。
新サービス「WiMAX +5G」も同様で、月間データ通信料には上限なく使い放題ですが、短期間の使い過ぎとして「3日で15GBを超過すると速度制限(1Mbps)」という速度制限ルールになりました。
何気ないルール改定ですが「3日で10GB」から「3日で15GB」へ50%も制限が緩和されています。
短期間の使い過ぎ制限(3日ルール)が「3日で15GB」と50%緩和された
メリット⑤ 速度制限を受けても日中は無制限
新サービス「WiMAX +5G」で「3日で15GB」の速度制限ルールが適用されても、制限はかなり緩い制限となっています。
制限時の通信速度 | 1Mbps程度 |
---|---|
制限時の制限時間帯 | 18:00~26:00 ※上記以外は制限されない |
「3日間での通信容量が15GBを超えてしまった」日の翌日「18:00~26:00」の間だけ「通信速度1Mbpsになる」というのが速度制限ルールです。
速度制限容量が50%緩和されたのに加え、「制限されても夜間だけ(日中は制限されない)」「制限されても1Mbpsは出る(標準画質動画が見れる程度)」という、比較的緩い速度制限となっています。
メリット⑥ オプション通信モードの月間ギガ上限が2倍以上に緩和(7GB→15GB)
別途有料オプションで使える通信モード(プラスエリアモード)の月間ギガ上限が2倍以上の「月間15GBまで」に緩和されました。
従来サービス「WiMAX2+」のオプション通信モード「ハイスピードプラスエリアモード」は月間でのギガ上限が7GBに設定されていて、7GB/月を超過すると通信速度128Kbpsに制限されます。
新サービス「WiMAX +5G」のオプション通信モード「プラスエリアモード」では月間のギガ上限が15GBに緩和されました。
メリット⑦ プラチナバンドを使いすぎても通常モードは速度制限受けない
従来サービス「WiMAX2+」で「つながりやすいau 4G LTE」を使うためには別途オプション料金が必要な通信モード「ハイスピードプラスエリアモード」での通信が必要でした。
多くのプロバイダーの特典でオプション料金は無料となることが多いですが、「ハイスピードプラスエリアモード」での通信は月間のギガ上限が7GBまで(超過後は128Kbp)というほとんど使い物にならない通信モードでした。
さらに、有料の「ハイスピードプラスエリアモード」で上限7GBを超過して速度制限を受けると、なんと標準(無料)の通信モード「ハイスピードモード」での通信まで128Kbpsに速度制限される、というありさまです。
これではお金払ってまで「つながりやすい4G LTE」を使うメリットが全然ありません。
新サービス「WiMAX +5G」では標準(無料)の「スタンダードモード」で「au 4G LTE」が使えるようになったことに加え、別途オプション料金を払う「プラスエリアモード」での通信が月間7GBを超過しても制限されるのは「プラスエリアモード」での通信のみ、標準の「スタンダードモード」は速度制限を受けません。
これにより、新サービス「WiMAX +5G」は「つながりやすいau 4G LTE」が月間のギガ上限なく「使い放題」となりました。
メリット⑧ 高額な5Gルーター無料提供のプロバイダーもある
5G通信に対応したことでWiMAX +5G対応ルーターはWiMAX2+対応ルーターよりも高額になってしまいました。
しかし、WiMAX2+の時代から「キャンペーンによりWiMAX対応ルーターは無料で提供される」のが一般的です。
WiMAX +5Gにおいても、すでに「5G対応ルーター無料提供」のプロバイダーキャンペーンも行われています。
メリット⑨ すぐに使えるホームルーターも提供されている
2020年からの自宅回線の需要の高まりにより、工事不要で自宅でWi-Fiが使える「WiMAX2+ ホームルーター」の人気が急上昇しています。
ところがWiMAX2+用のホームルーターはすでに生産終了しており、WiMAX +5Gにシフトしています。
「Speed Wi-Fi HOME L02」や「WiMAX HOME 02」などのWiMAX2+対応で人気のホームルーターはすでに入手(契約)困難な状況です。
WiMAX +5Gはすでにホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」を提供しており、しかも無料提供のプロバイダーも出てきました。
ホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」無料提供のプロバイダーもある
メリットまとめ
従来サービス「WiMAX2+」に対する新サービス「WiMAX +5G」のメリットとして、「最大のメリットは5G対応」ではありません。
標準通信モードで「au 4G LTE」が使える
最大の特徴は「標準(無料)の通信モードでau 4G LTEが使える」という点にあります。
従来サービスWiMAX2+は標準通信モードでは「Band41/42」のみ利用可能でしたが、新サービス「WiMAX +5G」ではこれに加え「au 4G LTE(Band1/3)」も使えるようになりました。
これにより、今まで以上に「つながりやすい」「速い」というサービスになりました。
au 4G LTE標準対応により「よりつながりやすく」速くなった
速度制限の緩和
もともと従来サービス「WiMAX2+」のころから、短期使い過ぎによる速度制限はかなり緩い制限でした。
新サービス「WiMAX +5G」ではさらに短期(3日間)での制限対象となるデータ通信料が50%も緩和され「3日で15GB」になりました。
速度制限ルールが大幅に緩和された
WiMAX2+のリスク
今後、通信速度が半分になる
今回新サービス「WiMAX +5G」が発表されたことで従来サービス「WiMAX2+」は長期的には「通信速度が遅くなる(440Mbps→220Mbpsと半減)」そして「サービス終了(未定)」という道をたどります。
WiMAX +5Gを提供するUQコミュニケーションズでは、新サービス「WiMAX +5G」の発表に合わせて「従来サービスWiMAX2+の帯域再利用(速度を遅くする)」ことを発表しています。
また、UQが有する周波数帯を有効活用し、一層快適な高速通信サービスをお客さまに提供するため、2022年秋から一部地域において、「WiMAX 2+」サービスを提供している周波数帯の一部を5Gサービスとして順次変更していく予定です。
これに伴い、WiMAX 2+の最大速度が440Mbpsから220Mbpsに、2022年秋以降順次変更となる予定です。そのため、現在「WiMAX 2+」対応ルーターをご利用のお客さまを対象に、4G LTEによる安定した通信と、ますます拡大する5Gエリアを無料で利用可能な「WiMAX +5G」対応ルーターに変更いただけるよう、契約移行手数料を2021年5月から無料とします。
UQ WiMAX、au 5Gに対応した「WiMAX +5G」サービスを4月8日から提供開始 | UQコミュニケーションズ
なぜ遅くなる?
KDDIに限らず電波は限りある資源であり通信各社に割り当てられている電波も余裕があるものではありません。
新しいサービス(5Gサービスなど)を始めるには古いサービス(3Gや4G)を終了または削減し新しいサービスで使うように変更していく必要があります。
KDDIでは現在4G規格の通信であるWiMAX(Band41/42)を2021年秋以降は5G規格の通信サービスに少しずつ転用していく、ということです。
「少しずつ転用」なので「まずは通信速度は半分」「そしていつかは全部転用(終了)」ということですね。
今からWiMAX2+を契約してもいいかしら?
良くないです。
WiMAX2+は今でも多くのプロバイダーから提供されていますが、ほとんどが「3年契約・自動更新」です。
そしてWiMAX(Band41/42)の再編は2021年秋から始まります。
つまり「今WiMAX2+を契約しても1年後には通信速度が半分になる」「月額料金は同じで通信速度が半分になるってどうよ?」ということですね。
今からポケットWi-Fiを契約するなら従来サービス「WiMAX2+」は契約すべきではありません。
新サービス「WiMAX +5G」を契約すべきです。
今WiMAX2+を使っている人はどうなる?
現在従来サービス「WiMAX2+」をご利用中の方はどうすればよいでしょうか?
応えは「もうしばらく待ってみる」です。
今後「乗換キャンペーン」が行われる?
今回の新サービス「WiMAX +5G」はWiMAXの三代目です。
二代目である従来サービス「WiMAX2+」がサービス開始されたときも初代WiMAX利用者向けに「WiMAX2+乗換キャンペーン」が実施されました。
この時は多くのプロバイダーで以下の特典が提供されました。
※特典はプロバイダーにより異なる
- 利用サービスの途中解約違約金を免除
- WiMAX2+対応ルーターの無料提供
- その他キャッシュバック特典など
現在従来サービス「WiMAX2+」をご利用の方は、ご利用のプロバイダーでの「乗り換えキャンペーン」が開始されるかもしれないので、もうしばらく待ってみましょう。
おそらく、2021年の8月以降、多くのプロバイダーが新サービス「WiMAX +5G」の提供を開始すると思われます。
すでにUQ WiMAXでは乗り換えキャンペーンが始まっている
そして本家UQ WiMAXでは「乗り換えキャンペーン」が始まっているので、現在UQ WiMAXの「WiMAX2+」サービスをご利用の方は利用可能です。
ただし、特典が非常に魅力がないので、これももう少し待ってみると良いかもしれません。
WiMAX +5Gの通信モードと使える電波
KDDI(au)で利用できるすべての電波
通信規格 | バンド 周波数帯 |
周波数 | 備考 |
---|---|---|---|
au 5G | n77 | 4.0~4.1GHz | Sub6(主要5G) |
n78(n77) | 3.7~3.8GHz | Sub6(主要5G) | |
n257 | 27.8~28.2GHz | ミリ波(超高速5G) | |
au 4G LTE | Band1 | 2.1GHz | 主要バンド |
Band3 | 1.7GHz | ||
Band11 | 1.5GHz | ||
Band18 | 800MHz | プラチナバンド | |
Band26(18) | 800MHz | プラチナバンドを内包 | |
Band28 | 700MHz | ||
WiMAX2+ | Band41 | 2.5GHz | WiMAX2+ |
Band42 | 3.5GHz | CA(キャリアアグリケーション) |
5G通信のミリ波とSub6波
高速通信5Gで使われる電波は主に「Sub6」と「ミリ波」という2つのグループに分けることができます。
非常にざっくりとした特徴として「Sub6は高速」「ミリ波は超高速」と言えます。
ここで重要なのは「5G通信において当面ミリ波は期待できない」ということです。
ミリ波こそ「大容量・低遅延・超高速」と5G通信の本丸電波ですが、そのエリア展開には目途が立っておらず当面はあまり期待ができません。
実際、アップル初の5G対応スマホであるiPhone12シリーズも「ミリ波は米国内のみ対応」としており、日本国内版のiPhone12シリーズはミリ波に対応していません。
「au 4G LTE」はauスマホで使われている電波
「4G LTE」とはauスマホでデータ通信・音声通話として主に使われている電波です。
つまり、auスマホが使える場所には「au 4G LTEの電波がある」ということです。
「WiMAX2+(Band41/42)」とはデータ通信向けの電波
「WiMAX2+」とは従来サービス「WiMAX2+」の標準通信モード(ハイスピードモード)で使われているデータ通信に特化した電波で、比較的通信の余裕のある電波ですが周波数帯が少し高いので「au 4G LTE」に比べると障害物に弱く、少し繋がりにくいという弱点があります。
「WiMAX2+(Band41/42)」は従来サービス「WiMAX2+」の主要電波として使われているほか、auスマホの通信速度を向上させる「キャリアアグリケーション」という電波を束ねて速くする通信において、束ねられる電波としても使われています。
「スタンダードモード」で使える電波
WiMAX +5Gの標準の通信モードは「スタンダードモード」と言います。
通信モードの初期設定が「スタンダードモード」なので、普通に使えばスタンダードモードによる通信が行われます。
KDDIが有する電波の中で、WiMAX +5Gがスタンダードモード通信で利用する電波は以下の網掛部分の電波となります。
通信規格 | バンド 周波数帯 |
周波数 | 備考 |
---|---|---|---|
au 5G | n77 | 4.0~4.1GHz | Sub6(主要5G) |
n78(n77) | 3.7~3.8GHz | Sub6(主要5G) | |
n257 | 27.8~28.2GHz | ミリ波(超高速5G) | |
au 4G LTE | Band1 | 2.1GHz | 主要バンド |
Band3 | 1.7GHz | ||
Band11 | 1.5GHz | ||
Band18 | 800MHz | プラチナバンド | |
Band26(18) | 800MHz | プラチナバンドを内包 | |
Band28 | 700MHz | ||
WiMAX2+ | Band41 | 2.5GHz | WiMAX2+ |
Band42 | 3.5GHz | CA(キャリアアグリケーション) |
当面は「5G通信」は期待できない
「スタンダードモード」では5G通信の「n77/n78」が利用できます。
つまり標準で(オプション料金を払わずに)「5G通信」が利用できる、ということです。
しかし、ここまで説明してきたように当面は5G通信には期待できません。
- 5Gエリアはまだまだピンポイント、全国エリア拡大には相当時間がかかる
- さらに「ミリ波」についてはエリア展開の目途が立っていない
- ※5G対応スマホiPhone12シリーズもミリ波には対応していない
本当のメリットは「au 4G LTEが標準で使える」
WiMAX +5Gの標準通信モード「スタンダードモード」の最大の特徴は「5G対応」ではなく「au 4G LTEが使える」という点にあります。
従来サービス「WiMAX2+」でも「au 4G LTE」が利用できましたが、利用するためには別途オプション料金が必要な「ハイスピードプラスエリアモード」での通信が必要でした。
そして「ハイスピードプラスエリアモード」での通信は月間のギガ上限が7GBまで(超過後は128Kbps)という、ほとんど使い物にならない通信モードでした。
新サービス「WiMAX +5G」では標準(無料)の通信モード「スタンダードモード」で「au 4G LTE」が使えるようになりました。
「スタンダードモード」は月間のギガ上限のない「使い放題」モードなので、「速くて繋がりやすいau 4G LTE」がギガ無制限で使い放題になりました。
これにより、標準モード通信において今まで以上に「よりつながりやすい」「より速い」という通信サービスになりました。
- WiMAX +5Gは標準で「au 4G LTE」が使えるようになった
- つまり、「au 4G LTE」が毎月のギガ上限なく使える
- オプション料金不要で「より速く」「より繋がりやすく」なった
「プラスエリアモード」で使える電波
通信規格 | バンド 周波数帯 |
周波数 | 備考 |
---|---|---|---|
au 5G | n77 | 4.0~4.1GHz | Sub6(主要5G) |
n78(n77) | 3.7~3.8GHz | Sub6(主要5G) | |
n257 | 27.8~28.2GHz | ミリ波(超高速5G) | |
au 4G LTE | Band1 | 2.1GHz | 主要バンド |
Band3 | 1.7GHz | ||
Band11 | 1.5GHz | ||
Band18 | 800MHz | プラチナバンド | |
Band26(18) | 800MHz | プラチナバンドを内包 | |
Band28 | 700MHz | ||
WiMAX2+ | Band41 | 2.5GHz | WiMAX2+ |
Band42 | 3.5GHz | CA(キャリアアグリケーション) |
5G通信は「スタンダードモード」で使える
この表からわかるように、新サービス「WiMAX +5G」では高速通信5Gはオプション不要で標準通信モード「スタンダードモード」で使い放題できることがわかります。
最大のウリである「5G通信」を使うために別途オプション料金を払う必要がないことがわかります。
「プラスエリアモード」は最後の砦になる
では「プラスエリアモード」は何のためにあるのか?というと「通信できない(圏外)場所での最後の砦」となります。
「プラスエリアモード」で使える電波は「au 4G LTE」の中でももっともつながりやすいプラチナバンド(Band18/26)です。
WiMAX +5Gは標準の「スタンダードモード」でも「au 4G LTE」のBand1/3を使えるので従来サービス「WiMAX2+」では電波圏外だった場所でも使える場所が格段に多くなります。
しかし、それでもつながらない場所があれば(たとえば地下鉄に乗っているとき)その時だけ「auで一番つながるプラチナバンド」を使えるのが「プラスエリアモード」になります。
「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」の違い
通信モード | スタンダードモード | プラスエリアモード |
---|---|---|
使える電波 | 【au 5G】 ・n78(Sub6) 【au 4G LTE】 ・Band1/3 【WiMAX2+】 ・Band41/42 |
【au 5G】 ・n78(Sub6) 【au 4G LTE】 ・Band1/3 ・Band18/26(追加利用可) 【WiMAX2+】 ・Band41/42 |
利用料金 | 無料 ※標準料金の範囲内 |
1,100円/月 ※利用月のみ課金 |
月間の通信量上限 | 制限なし | 15GB/月 ※超過時は128Kbpsに速度制限 |
短期間の通信量制限 | 15GB/3日 ※超過時は1Mbps ※制限時間帯は18時~26時のみ |
通信モードの切替
「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」の2つの通信モードは5G対応ルーター本体またはスマホアプリにより切り替えます。
標準(初期設定)では「スタンダードモード」に設定されています。
「プラスエリアモード」での追加機能
オプション通信モードである「プラスエリアモード」を使えば何ができるのか?と言えば「プラチナバンド(Band18/26)が使える」だけです。
目玉である5G通信は標準モード「スタンダードモード」で利用可能。
「プラスエリアモード」のオプション料金
規定では「プラスエリアモード」のオプション料金は1,100円/月です。
このオプション料金は毎月必ず請求されるのではなく「プラスエリアモード」での通信を行った月だけ請求される仕組みです。
なお、この「プラスエリアオプション料金(1,100円/月)」は「キャンペーン特典でオプション料金無料」としてプロバイダーもたくさんあります。
月間のデータ通信量(ギガ)の上限
標準モード「スタンダードモード」では月間のデータ通信量上限はなく「使い放題」ですが、オプションモード「プラスエリアモード」では月間の上限15GBとなっており、15GB/月を超過すると通信速度128Kbpsと使い物にならないほど規制されます。
なお、速度規制は翌月1日に解除されます。
また、新サービス「WiMAX +5G」では「プラスエリアモード」で速度制限を受けた場合でも標準モード「スタンダードモード」はその影響を受けません。
※従来サービス「WiMAX2+」ではオプションモード「ハイスピードプラスエリアモード」が規制されると標準モード「ハイスピードモード」も規制されましたが、この点は改善されています。
短期間でのデータ通信量の規制
「直近3日で15GBを超過した場合は速度制限(1Mbps)」のルールがあります。
このデータ通信量は「スタンダードモード」「プラスエリアモード」両モードでの通信量合算で判定されます。
なお、「直近3日で15GB超過」した場合の速度制限規制は「通信速度1Mbps」「制限時間帯は18:00~26:00」と、比較的緩い制限です。
制限されても通信速度1Mbpsなら標準画質動画は見れます。
制限されても「18時~26時」だけなので日中(18時まで)は制限を受けず、「日中(~18時)はどれだけ使っても無制限」と言えます。
WiMAX +5G対応ルーターが必要
新サービス「WiMAX +5G」を使うためには「WiMAX +5G対応ルーターが必要です。
従来サービス「WiMAX2+」対応ルーターや5G対応スマホでは「WiMAX +5G」サービスは利用できません。
WiMAX +5G対応ルーターは現在2機種が提供されています。
外でも使えるモバイルルーター「Galaxy 5G Mobile Wi-Fi」
外出先でも自宅でも使える持ち運び自由なモバイルルーターは「Galaxy 5G Mobile Wi-Fi」です。
「WiMAX +5Gをどこでも使いたい!」という人はモバイルルーターを選びましょう。
工事不要のホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」
「工事不要」のホームルーターが「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」です。
家庭のAC電源を使うので外出先では使えません(設置場所を変更することはできる)。
大容量の家庭用電源を使うことで、モバイルルーターよりもしっかりと電波をつかむことができ、より安定した高速通信が期待できます。
WiMAX +5Gを安く契約できるプロバイダー
プロバイダーが違っても通信サービスはみな同じ
WiMAXという通信サービスはKDDI系列のUQコミュニケーションズが運営・提供しています。
UQコミュニケーションズは自社「UQ WiMAX」という通信サービスを直接提供する一方で、多くの通信事業者へもサービス提供しています。
これにより多くの「○○WiMAX」など自社ブランドとして多くの通信事業者がWiMAX通信サービスを提供しています。
一見、スマホの格安SIM(MVNO)と似ていますが、格安SIMのMVNOが回線設備元(ドコモ・au・ソフトバンク)から帯域(データ通信料)を購入して自社ユーザー向けに提供しているのに対し、WiMAXはすべての仕組みをUQコミュニケーションズが提供しており、通信事業者は営業活動と顧客管理が主体となります。
つまり、WiMAXはどの通信事業者と契約しても、通信サービス(エリア・速度・規制ルールなど)は全く同じサービスです。
WiMAXは安いプロバイダーを選ぶ
どのプロバイダーと契約しても通信サービス自体は全く同じサービスであれば、あとは「条件の良いプロバイダーと契約」すれば良いということになります。
「条件の良い」とは、契約期間だったりキャンペーン特典だったり料金・価格設定だったり、といろいろありますが、その中から自分に一番おトクなプロバイダーを選ぶと良いです。
契約の縛りが緩い「UQ WiMAX」
WiMAX2+サービスは「3年契約・自動更新あり」が契約の主流でしたが、これは新サービス「WiMAX +5G」同様のようです。
WiMAXの本家「UQ WiMAX」では比較的契約期間の縛りが短い「2年契約・自動更新あり」でのサービスを提供しています。
UQ WiMAXの特徴
- WiMAXの本家で(なんとなく)安心、実際電話サポートなどは優れている
- 「2年契約・自動更新あり」と、少し契約縛りが緩い
- 価格はやっぱり少し高い(他社に比べて)
- 5G端末は無料にならない
- 「プラスエリアモード」オプションも無料にならない
「少し高くても契約縛りの緩いプロバイダーが良い」「充実したサポートが欲しい」という人におすすめのWiMAX +5Gになります。
現時点で最安の「カシモWiMAX」
WiMAX2+の時代から月額料金大幅割引による安さで人気のカシモWiMAXもいち早く5G対応プラン「超高速5Gプラン」を提供しています。
「3年契約・自動更新あり」と少し契約縛りが永くなりますが「5Gルーター無料」「月額料金割引で現時点で最安」「ずっと割引なので3年以上使ってもどんどん安くなる」という特徴があります。
UQ WiMAXの特徴
- 「3年契約・自動更新あり」と、少し契約縛りが永い
- 5G端末代金無料
- 「プラスエリアモード」オプションが無料
- 月額割引特典により3年間で最安のWiMAX +5G
- ずっと(3年以降も)月額割引なので永く使うとさらに安くなる
「3年契約でも一番安いWiMAX +5Gが良い」という人におすすめのWiMAX +5Gになります。
独自サービスで人気の高い「Broad WiMAX」
WiMAX2+時代においてはカシモWiMAXよりも早くから人気のプロバイダーがBroad WiMAXです。
Broad WiMAXも「5Gプラン」としてWiMAX +5Gを提供開始しています。
もちろん「端末代金無料」「プラスエリアモード無料」に加えて、契約時期によってはキャッシュバックも提供しています。
月額料金も安いですが、「最初の2年間がメッチャ安い」という料金設定であるため3年縛りの契約更新はおすすめではありません。
UQ WiMAXの特徴
- 「3年契約・自動更新あり」と、少し契約縛りが永い
- 5G端末代金無料
- 「プラスエリアモード」オプションが無料
- 月額割引特典により3年間でかなり安くなる(カシモWiMAXより少し高い)
- 「最初の2年が安い」という料金設定なので3年で解約するのが良い
- 「他社回線の解約金負担」「即日利用可能な店舗受取」など独自サービス提供
特徴として、他社回線からBroad WiMAXへ乗り換える場合の他社へ支払う違約金を負担してくれたり、申し込み当日から使える「当日店舗受取」などの独自サービスを提供しています。