UQコミュニケーションズがほぼロードマップに沿った展開で、2016年中の「下り最大440Mbps」のサービスを実現する模様です。
対応ルーターは「Speed Wi-Fi NEXT WX03(NEC)」で、「2016/12上旬販売開始予定」とのことなのでこれに合わせてサービスインするようです。
下り最大440Mbpsを実現する技術
まず、下り最大220Mbpsエリアを整理する
WiMAXではすでに「下り最大220Mbps」を実現しています。
技術的には2通りの方式があり、「4×4MIMO」方式と「CA(キャリアアグリケーション)」方式があります。
実現するための技術が違うため、「下り最大220Mbps」を実現するためにはアンテナ基地局側および端末(WiMAXルーター)側の双方がそれぞれの技術方式に対応している必要があります。
NEC製のルーター(WX01/WX02)は「4×4MIMO」方式による下り最大220Mbpsを実現しているので、「4×4MIMOによる下り最大220Mbpsエリア」でのみ下り最大220Mbpsとなります。
ファーウェイ製のルーター(W01/W02)は「CA(キャリアアグリケーション」方式による下り最大220Mbpsを実現しているので、「CA方式による下り最大220Mbpsエリア」でのみ下り最大220Mbpsとなります。
両方の技術の合わせ技で440Mbps
そして、今回実現される「下り最大440Mbps」を実現する技術は至って簡単で、「4×4MIMO(下り最大220Mbps)」と「CA(下り最大220Mbps)」の合わせ技で実現します。
これにも当然、端末(WiMAXルーター)側とアンテナ基地局側が「合わせ技」に対応していなければならず、対応ルーターが今回発売を予定している「WX03」であり、アンテナ基地局が「まずは東名阪エリア」ということになります。
対応端末は今後増えていくでしょうし、対応アンテナ基地局(つまり対応エリア)も今後増えていくでしょう。
3波CAの「下り最大370Mbps」とはなんだったのか
W03の3波CAサービス
現時点での最新ルーター「Speed Wi-Fi NEXT W03」は「3波CAによる下り最大370Mbps」を実現しています。
この実現技術は「CAによる下り最大220Mbps」の通信と、「au 4G LTEによる下り最大150Mbps」の通信の合わせ技で「下り最大370Mbps」を実現しています。
3波CAはギガ放題にならないしLTEオプション料金必要
実現のためにWiMAXの電波以外に「au 4G LTE」の電波が必要なため、この「下り最大370Mbps」を体感するためには「LTEオプション(月額1,105円)」が必要になります。
そして、「LTEオプション」によるLTE通信は、たとえ契約料金プランが「ギガ放題」であっても、「月間7GB制限」の対象となります。つまり、ギガ放題契約であってもLTE通信が月間7GBを超えると通常プラン同様下り通信速度が128Kbpsに制限されてしまいます。
つまり、多くのWiMAXユーザーは通常の運用において「下り最大370Mbps」を使わないでしょう。
下り最大440Mbpsサービス
今わかっていること
※2016/11/03時点
技術について
- 下り最大440Mbpsは「4×4MIMO」と「CA」の合わせ技
- 同時に上り速度も最大10Mbpsから30Mbpsへアップ
- 上り速度アップは「CA×64QAM」により実現
「3」の上り速度アップについてはこれまでの上り最大10Mbpsから30Mbpsへと向上されています。これは「64QAM」という電波の圧縮技術により通信速度を15Mbpsまで高めたうえで、CAにより2本の電波を束ねることで30Mbpsとしています。
上り速度向上は一部のゲーム主体の利用者にはうれしいサービスかもしれません。
サービスについて
- 下り最大440Mbpsサービスを2016年内に東名阪エリアより開始
- 対応ルーター第一弾はNEC製の「WX03」
- WX03は2016年12月上旬販売開始予定
- WX03の通信モードは「ハイパフォーマンスモード(440Mbps)」「ノーマルモード(110~220Mbps)」「エコモード(110Mbps)」
- WX03の通信電波はWiMAX2+のみで「LTE」および「旧WiMAX」には非対応
「ヤ倍速」から早くも次の戦略サービスが開始される
先述の「サービスについて」の「「4」と「5」を見ると、W03の下り最大370Mbpsサービスと違い、「下り200Mbpsのヤ倍速(220Mbps)」を超えるサービスを常用(つまり「ハイパフォーマンスモード」)しても(おそらく)月間7GB制限を受けたり追加オプション料金を請求されることはないと思われます。
一方で、ノーマルモードはNEC製の特徴として「4×4MIMO」による下り最大220Mbps実現だと想定でき、また「エコモード」がなぜあるのか?についてはバッテリーの持ち時間を考えてのことではないかと想像できます。
WX03のクレードル(別売り)は本体内蔵の有線LANコネクターが1Gbps対応しているほか、クレードル本体に「拡張アンテナ」が内臓されています。これにより、クレードル設置時の電波特製も向上するでしょう。
2016/12/2追記:WiMAX2+ 440Mbps最新エリア情報
本日より、下り最大440Mbps対応ルーター「Speed Wi-Fi NEXT WX03」の出荷が開始されました。現時点での最新エリア情報をまとめてみました。