電波を使ったモバイル回線が高速化したことで、自宅の固定回線をホームルーターサービスで置き換える方が増えてきています。
2021年に提供開始されたNTTドコモ「home5G」もきっかけとなり、わざわざ光回線の工事などせずにホームルーターを簡単に導入することができます。
ただホームルーターを自宅固定回線として使う場合、使い方によっては「使えない!」ということになります(ホームルーターに限りませんが)。
この記事では一般的に困難・不可能といわれる「ホームルーターでポート開放ができる通信サービス」について検討していきます。
置くだけのネット回線でポート開放できる?
置くだけ簡単のWiMAX +5Gホームルーターは光回線のような工事が不要で契約したらすぐに使えることで人気の回線サービスです。
同様のホームルーターサービスとしては先行サービスの「ソフトバンク・エアー」や高速・無制限で人気のNTTドコモ「home5G」などがあります。
これらのホームルーターサービスは簡単設置で便利なのですが、一部の利用者にとっては「ポート開放ができない」という問題点があります。
ポート開放とは?
ポート開放とは外部(外出先)から自宅へネットワーク接続したとき、自宅内の利用したいサービス宛先を示すための経路です。
IPアドレスが自宅住所だとするとポート番号は部屋番号と考えるとよいかもしれません。
外出先から自宅のネットワークカメラを使って赤ちゃんやペットを確認したい、という場合は自宅IPアドレスとネットワークカメラに割り当てたポート番号を指定することで、外出先からネットワークカメラに接続することができます。
このように部屋(自宅内のデバイス)と経路(ポート番号)を紐づけることを「ポート開放」と言い、自宅内のルーターに設定を行います。
ポート開放ができないと何が困る?
ポート開放ができなければ外出先・外部から自宅ネットワークのデバイスに接続することができません。
これで何が困るか?というとさまざまなのですが、例えば以下のような使い方ができない、ということになります。
- 一部の対戦型ゲームなどが利用できない
- 外出先から自宅のカメラやIoT家電にアクセスできない
- 自宅のサーバーを外部に公開できない
- 外出先から自宅へVPN接続できない
- などなど・・・
なぜポート開放できない?
インターネット接続サービスにはポート開放ができる回線サービスと、ポート解放できない回線サービスがあります。
理由(違い)は複数ありますが、一番多い理由が「IPv4グローバルアドレスが割り当てられない」という理由です。
IPアドレスは通信する場合に必要な自宅住所となりますが、世界共通で使える「グローバルIPアドレス」とプロバイダー内でのみ有効な「プライベートIPアドレス」があります。
そして回線サービスやプロバイダーによって自宅に割り当てられるIPアドレスが「グローバルIP」か「プライベートIP」かの違いがあります。
「プライベートIP」の場合はプロバイダー内部でのみ有効なアドレスなのでプロバイダーの外部からプライベートIPアドレスを指定しても自宅へ通信することができません。
つまり「プライベートIPアドレス」を使っている回線サービス・プロバイダーではポート開放ができない(外出先から自宅住所がわからない)ということになります。
ソフトバンク・エアーはポート開放できる?
ソフトバンク・エアーのルーターへ付与されるIPアドレスはプライベートIPアドレスとなります。
よって外部から自宅のソフトバンク・エアーのルーターへ接続することはできません。
NTTドコモ「home5G」はポート開放できる?
人気のホームルーターサービス「home5G」はドコモのspモード通信を使ったサービスです。
spモードでは自宅ルーター(HR01)にプライベートIPアドレスを割り当てます。
このため、外部から自宅のホームルーター(HR01)へ接続することはできません。
WiMAX +5Gはポート開放できる?
WiMAX +5GはKDDI系列の通信事業者「UQコミュニケーションズ」が提供する通信サービスですが、多くのプロバイダーが自社ブランドで販売しています。
そしてWiMAX +5Gのプロバイダーの中には「グローバルIPv4アドレスオプション」を提供しているプロバイダーもありました。
しかし、2023年7月よりWiMAX+5Gは順次「真の5Gサービス SA(スタンドアローン)」に対応した「ギガ放題プラスS」プランへと移行、同時にグローバルIPアドレスオプションの提供も終了しています。
ASAHIネットなら固定IPv4アドレスも使える
WiMAX +5Gで唯一、そしてホームルーターサービスで唯一の「ポート開放できる」「グローバルIPアドレスが使える」というホームルーターサービスがASAHIネットWiMAX+5Gの固定IPアドレスサービスです。
ASAHIネットでは多くのWiMAX +5Gプロバイダーの中で唯一「グローバルIPアドレス」を「固定IPアドレス」として提供しています。
このサービスにより、WiMAX +5Gで唯一そしてホームルーターで唯一「ポート開放が使える」サービスとなっています。
グローバルIPアドレスが使えるホームルーター
以上のように自宅の固定回線としてホームルーターを検討している方が注意すべき点として、「外部から自宅への通信が必要か?」という点があります。
もしペットの見守りカメラや自宅へのVPN接続が必要であればグローバルIPアドレスが必要です。
さらにはそのIPアドレスが変動するよりも固定されていたほうが使い勝手がよくなります。
グローバルIPv4アドレスはWiMAX+5Gだけ
置くだけ簡単のホームルーターでグローバルIPv4アドレスを利用できるのはWiMAX+5Gだけです。
ただし、WiMAX+5Gは2023年7月以降、順次「真の5G」と言われている「5G SA(スタンドアローン)サービス」へと移行しています。
そして、この「5G SA(スタンドアローン)」対応のルーターではグローバルIPv4アドレスは利用できなくなりました。
現在、WiMAX +5Gで、そしてホームルーターで唯一「グローバルIPv4アドレス」が利用できるのはASAHIネットWiMAX +5Gのみ、というのが現状です。
ルーターの終売(売り切れ)によるサービス終了?
ASAHIネットWiMAX +5Gでは現在でも「グローバルIPv4固定アドレスプラン」を提供しています。
そして固定IPアドレスプランで契約した場合のルーターは「5G NSA(ノン・スタンドアローン)」対応ルーターとなります。
すでに一世代前となった「5G NSA(ノン・スタンドアロン)」対応ルーターの終売により、固定IPアドレスプランの提供も終了するものと思われます。
グローバルIPアドレスでおすすめ「ASAHIネット WiMAX +5G」
ASAHIネットはWiMAX +5Gで唯一、そしてホームルーターサービスでも唯一の「固定IPアドレスが使えるホームルーター」を提供しています。
ASAHIネットは国内の老舗プロバイダーであり、創業時より固定IPアドレスの提供に力を入れてきたプロバイダーであることから、新しく参入したWiMAX +5Gでも固定IPアドレスを提供するのは当然の流れというところです。
自宅のホームルーターで外部から自宅への接続が必要な場合、一番おすすめのホームルーターは「ASAHIネット WiMAX +5G」です。
- グローバルIPアドレスが使える
- しかも固定IPアドレスとして提供されている
グローバルIPv4アドレス、しかも固定!
ASAHIネットの固定IPアドレスサービスはインターネットから直接自宅のWiMAX +5Gルーターに接続できるグローバルIPv4アドレスを提供してくれます。
しかも、そのグローバルIPv4アドレスは固定IPアドレスとして提供されるので使い続けている間はIPアドレスが変わりません。
ネットワークが進化し世界的にIPv4アドレスが枯渇している状況において、多くの通信サービスがIPv6による通信やIPv4通信でもプライベートIPv4アドレスを付与するサービスばかりになってきました。
そんな中で、現在でもIPv4グローバルアドレスをしかも固定IPアドレスとして提供しているのはWiMAXだけでなくホームルーターサービスの中でASAHIネットだけです。
グローバルIPv4アドレスなら何がうれしい?
グローバルIPv4アドレスはインターネット上の共通の住所となるため、インターネット側(つまり外出先)から自宅へ接続することができます。
プライベートIPv4アドレスはプロバイダー内部でのみ有効な住所なので、インターネット側から接続することはできません。
グローバルIPv4アドレスを使うことで、「外出先から自宅へ接続できる」「あらゆるVPNが使える」という環境になります。
「外出先から自宅へ接続できる」とは?
グローバルIPv4アドレスを使えば外出先やインターネット側から自宅のルーターに接続することができます。
これにより、外出先からいつでもどこからでも自宅ネットワークに接続し、いつも使っている自宅内のサーバーや機器を使えるようになります。
たとえば自宅内のファイルサーバー(NAS)を使う、とか外出先から赤ちゃんやペットの見守りカメラを見る、などができるようになります。
「あらゆるVPNが使える」とは?
テレワークが導入されたことで、多くの人が自宅から会社へVPN接続し自宅でのテレワークを行っています。
一部のVPNプロトコル(L2TP/IPSecなど)では自宅ルーター側に固定のポートが有効である必要がありますが、IPv6通信やプライベートIPv4アドレスではこのポートが綱得ない場合がほとんどです。
つまり、一部のVPNを使ったテレワークでは自宅から会社へVPN接続できない、という困った状況になります。
グローバルIPv4アドレスなら「完全なIPv4アドレス」が自宅ルーター(WiMAXルーター)に付与されるため、このような心配がありません。
固定IPアドレスなら何がうれしい?
ASAHIネット WiMAX +5Gが提供するグローバルIPアドレスは「固定IPアドレス」という点が他社と異なりまた唯一となります。
グローバルIPアドレスには「固定」と「変動」があり、「固定IPアドレス」はずっと同じIPアドレスが付与される、「変動IPアドレス」はたびたびIPアドレスが変わる、というIPアドレスになります。
グローバルIPアドレスであっても、それが「変動」アドレスであれば常に「今のアドレスは何?」を意識してインターネット側から接続する必要があります。
「固定」でのアドレスであれば変わることがないのでいつでも同じIPv4アドレスで自宅へ接続することができます。
外部から自宅へ接続する場合はそりゃもうIPアドレスは固定のほうが使いやすいですよね。
ASAHIネットWiMAX+5Gの固定IPアドレスの使い方
ASAHIネットWiMaX+5Gを「固定IPアドレスプラン」で契約した場合、契約ルーターのWAN側IPアドレスには自動的にグローバルIPv4アドレスが付与されます。
特に別途手続きやルーターの設定は不要、自動でグローバルIPv4アドレス(固定IP)が付与されます。
※正確に表現すれば「契約SIMを装着したルーターのWAN側IPアドレス」となります。SIMカードを他のWiMAX+5Gルーターへ差し替えても固定IPアドレスが付与されます。
ASAHIネット WiMAX +5Gの「固定IPアドレス」プラン
ASAHIネット WiMAX +5Gの料金プランを見ていきましょう。
ASAHIネット WiMAX +5Gは固定IPアドレスが提供される「固定IPアドレスプラン」とプライベートIPが提供される「ギガ放題プラン」の2つのプランがあります。
※ポート開放するためには「固定IPアドレスプラン」が必要です。
費用項目 | ギガ放題プラン 固定IPアドレス | ギガ放題プラン (プライベートIPアドレス) | |
---|---|---|---|
初期費用 | 事務手数料 | 3,300円 | |
端末代金 | 21,780円 ※別途代引手数料440円 | 27,720円 ※別途代引手数料440円 | |
月額費用 | 0か月目 ※利用開始月 | 0円(無料) | |
1~23か月目 | ⇒4,928円/月 | ⇒3,278円/月 | |
24~35か月目以降(ずっと) | 4,928円/月 | ||
36か月目以降(ずっと) | 6,578円/月 | ||
オプション料金 | プラスエリアモード利用料1,100円/月 ※プラスエリアモード通信を行った月のみ | ||
契約 | 契約期間 | 契約期間の定めなし(縛りなし) | |
解約時違約金 | 解約時違約金なし |
プライベートIPアドレスが付与される「ギガ放題プラン」に対して固定IPアドレスが付与される「固定IPアドレス」プランは月額1,650円増しになります。
固定IPアドレス代金として月額1,650円、というところです。
ただし通常プランで月額4,928円/月(税込み)はホームルータープランとしては結構安い部類であり価格的におすすめ(契約縛りもないし)、そこからの固定IPアドレスが1,650円となります。
端末代金は一括払い/代金引換
初期費用としてWiMAX +5Gの端末代金が必要ですが、端末は代金引換での支払いとなり本体代金(2,1780円)と別途代引き手数料(440円)が必要(合計22,220円)。
端末購入を伴わない通信サービスの契約は不可です。
なお、ASAHIネットWiMAX +5Gの固定IPアドレスプランで購入契約できるルーターは以下の3機種から選ぶことができます。
モバイルルーター | Speed Wi-Fi 5G X11 |
---|---|
Galaxy 5G Mobile Wi-Fi | |
ホームルーター | Speed Wi-Fi HOME 5G L11 |
契約期間の縛りがない
契約期間の縛りはありません。
よって解約時の違約金等もありません。
ASAHIネットの固定IPv4アドレスの使い方
ASAHIネットWiMAX +5Gで「固定IPアドレスプラン」を契約した場合、グローバルIPv4アドレスが固定アドレスとして付与されます。
特に設定方法などはなく、契約期間中ずっと(自動的に)IPv4グローバルアドレスが固定で付与されます。
ルーター本体または管理画面から見る「IPv4アドレス」が「グローバルIPv4アドレス」「固定IPアドレス」となっています。
グローバルIPアドレスが使える最後のチャンス!?
ホームルーターサービスの中で唯一「グローバルIPアドレス」が使えるASAHIネットWiMAX +5Gですが、現在グローバルIPアドレスのプランを契約できる最後のチャンスになっています。
WiMAX +5Gは2023年8月ころから新プラン・新端末へと移行しています。
この新しいプランは「真の5G」と言われている「5G SA(スタンドアローン)サービス」に対応したプランであり、新端末はこの「5G SA通信」に対応した端末となっています。
※従来のWiMAX +5Gは「5G SA(スタンドアローン)」に対して「5G NSA(ノン・スタンドアローン)」と言います。
「5G SA(スタンドアローン)」では通信の仕組み上、現時点ではグローバルIPv4アドレスを付与できないようです。
※UQ WiMAXのサポートによると「準備中」とのことなので将来的には期待できますが・・・
この仕組みの中で、ASAHIネットWiMAX +5Gの「グローバル固定IPv4アドレスサービス」も旧端末(5G NSA対応端末)の在庫限りの提供のようです。
つまり、旧端末(5G NSA対応端末)が終売(在庫切れ)することで、(一時的かもしれませんが)「グローバル固定IPv4アドレス」は提供されなくなる、と思われます。
※ホームルーターでグローバルIPv4アドレスをご検討中ならお早めに!
WiMAXの本家「UQ WiMAX +5G」でポート開放
「5G SAプラン/端末」ではグローバルIPアドレスが利用できません。
UQ WiMAX +5GはWiMAXの本家「UQコミュニケーションズ」が提供しているWiMAX +5Gサービスです。
WiMAXの本家らしく、オプションとサポートサービスが充実しているのが特徴、さらに契約期間の縛りがありません。
UQ WiMAX +5GでもグローバルIPアドレスを利用することができます。
UQ WiMAX +5Gの「グローバルIPアドレス」オプション
UQ WiMAX +5GのIPアドレスは標準ではWiMAX他社プロバイダーや他社ホームルーターサービスと同様に「プライベートIPアドレス」となります。
このため、標準では外部から自宅WiMAXルーターへの接続ができずポート開放もできません。
ここに月額110円/月のオプション「グローバルIPアドレスオプション」を利用することで、ルーターへグローバルIPアドレスが付与されるようになり外部から自宅のWiMAXルターへ接続できるようになります。
月額110円なので安いですね。
ただし付与されるグローバルIPアドレスは「変動」
UQ WiMAX +5GのグローバルIPアドレスオプションで付与されるIPアドレスは「固定」ではなく「変動」となります。
つまり、ルーター再起動のタイミングやプロバイダー側のメンテナンスのタイミングでIPアドレスが変更する可能性がある、ということです。
IPアドレスが知らないうちに変更されてしまうと、外部から接続できなくなってしまいますね。
「変動アドレス」ならダイナミックDNSサービスを利用する
自宅のWiMAXルーターに付与されたグローバルIPアドレスを定期的に監視し、変動した時にDNSの登録情報を更新してくれる仕組みがダイナミックDNSです。
ダイナミックDNSの仕組みを使えばグローバルIPアドレスが変動しても、同じドメイン名で自宅ルーターにアクセスすることができます。
このため、「変動」によるグローバルIPアドレスを利用する場合にはダイナミックDNSの仕組みについても検討が必要となります。
ダイナミックDNSサービスの使い方は?
ダイナミックDNSは有料・無料のサービスがあります。
ダイナミックDNS専用の有料・無料のサービスもあるし、ルーター購入者を対象として無料でダイナミックDNSの機能を提供してくれるルーターメーカーもあります。
ダイナミックDNSを使う場合に一番簡単で確実なのは「無料のダイナミックDNSを提供してくれるルーターを選ぶ」ことでしょう。
- エレコム製ルーター
⇒ エレコムルーターを使っている限り無料でダイナミックDNSが使える - ASUS製ルーター
⇒ ルーター標準機能としてダイナミックDNS機能がある - TP-Link製ルーター
⇒ ルーター標準機能としてダイナミックDNS機能がある - GL.iNet製ルーター
⇒ ルーター標準機能としてダイナミックDNS機能がある
これらのメーカーのルーターを購入し、WiMAX +5Gルーター配下に接続してネットワーク構築することで、変動のグローバルIPアドレスでもダイナミックDNS(無料)の機能によって、いつでも同じドメイン名で自宅ルーターに接続することができるようになります。
UQ WiMAXの料金プラン
費用項目 | ギガ放題プラン | |
---|---|---|
初期費用 | 事務手数料 | 3,300円 |
端末代金 | 21,780円 | |
月額費用 | 0か月目 ※利用開始月 | 最大4,268円 ※日割り計算 |
1~24か月目 | 4,268円/月 | |
25か月目以降(ずっと) | 4,950円/月 | |
オプション料金 | プラスエリアモード利用料1,100円/月 ※プラスエリアモード通信を行った月のみ | |
グローバルIPアドレスオプション110円/月 | ||
契約 | 契約期間 | 契約期間の定めなし(縛りなし) |
解約時違約金 | 解約時違約金なし |
月額料金4,268円/月(税込み)にグローバルIPアドレスオプション(110円/月)を加えて合計で4,378円/月、となります。
ダイナミックDNSとグローバルIPオプションの組み合わせ
UQ WiMAX +5GはASAHIネット WiMAXの「固定IPアドレス」とは違い「変動グローバルIPアドレス」となります。
「固定IPアドレス」ではないので知らないうちにIPアドレスが変更されてしまいます。
この問題に対処する仕組みがダイナミックDNSとダイナミックDNSの自動更新という2つの仕組みです。
この2つの仕組みを安価で実現する一番簡単な方法はルーターメーカーが無料で提供しているダイナミックDNSを使う、ということになります。
いくつかのルーターメーカーが自前のダイナミックDNSサービスおよび自社ルーターでの自動更新機能を有していますが、私が使ったことがあるのはエレコム製とASUS製です。
どの仕組みを使っても良いですがエレコム製ルーターを使ってダイナミックDNS登録したうえでエレコム製ルーターで自動更新させるのが良いでしょう。
これにより月額料金ベースでは固定IPアドレスのASAHIネットの月額6,028円/月よりも1,760円/月も安く仕組みつくりができることになります。
まとめ、ホームルーターでもポート開放できる!
ここまでまとめてきたように、ルーター機器の機能として「ポート開放機能がある」というのと「ポート開放が機能する」は別物です。
「ポート開放が機能する」ためにはルーター側にグローバルIPアドレスが付与されている必要があります。
プライベートIPアドレスではいくらルーターにポート開放設定を行っても機能しないからです。
プライベートIPか?グローバルIPか?
プロバイダーが回線端末に割り当てるIPアドレスには「プライベートIP」と「グローバルIP」があります。
「プライベートIP」はプロバイダー内でのみ有効なアドレスで外部(インターネット側)からはアクセスできません。
「グローバルIP」はインターネットで有効なアドレスなので外部(インターネット側)からアクセスすることができます。
外部から接続できるのは「グローバルIP」
ホームルーターサービスが提供するIPアドレスは以下のようになっています。
ホームルーター サービス | 提供事業者 | IPアドレス種別 |
---|---|---|
home5G | NTTドコモ | spモード/プライベートIP |
Softbank Air | ソフトバンク | プライベートIP |
WiMAX +5G | UQコミュニケーションズ | プライベートIP ※一部プロバイダーでグローバルIPアドレス |
つまりホームルーターサービスでポート開放ができるのは「WiMAX +5Gの一部プロバイダー」のみ、ということになります。
ポート開放できるWiMAX +5Gプロバイダー
グローバルIPアドレスが使える「一部のWiMAX +5Gプロバイダー」は以下の2プロバイダーです。
プロバイダー | 事業者 | 備考 |
---|---|---|
UQ WiMAX +5G | MEモバイル | 「グローバルIPアドレスオプション」月額110円/月 |
UQ WiMAX +5G | UQコミュニケーションズ | 「グローバルIPアドレスオプション」月額110円/月 |
ASAHIネット WiMAX +5G | ASAHI-NET | 「固定IPアドレスプラン」 |
ホームルーターでポート開放したいなら「WiMAX +5Gをこの2プロバイダーのどちらかで契約する」必要があります。
「固定IP」か?「変動IP」か?
「変動IPアドレス」とは端末に割り当てられるIPアドレス(住所)がたまに変わってしまいます。
「固定IPアドレス」とはずっと同じIPアドレスが端末に割り当てられます。
グローバルIPアドレスであれば「固定IP」でも「変動IP」でもポート開放できますが、IPアドレスがずっと変わらない「固定IP」のほうが使い勝手が良いです。
グローバルIPアドレスを提供するWiMAX +5Gプロバイダーの仕様は以下のようになります。
プロバイダー | 事業者 | 備考 |
---|---|---|
カシモWiMAX +5G | MEモバイル | 変動IPアドレス |
UQ WiMAX +5G | UQコミュニケーションズ | 変動IPアドレス |
ASAHIネット WiMAX +5G | ASAHI-NET | 固定IPアドレス |
「変動IPアドレス」ならダイナミックDNSと併用
「固定IP」はずっと同じIPアドレス(住所)が使えますが「変動IPアドレス」は知らないうちにIPアドレス(住所)が変更されてしまいます。
「変動IP」でいつものIPアドレスから変更されてしまうと自宅へつながらなくなってしまい、不便です。
そこで「変動IP」の場合はダイナミックDNSサービスと併用すると便利になります。
ダイナミックDNSを使えばIPアドレスが変更されても定期的(5分間隔とか)に最新のIPアドレスでDNS情報を変更できるので、「名前(ドメイン名)でアクセス」という使い方をしていればIPアドレスの変更を意識する必要がありません。
手っ取り早くダイナミックDNSならエレコム製ルーターを使う
ダイナミックDNSを活用する使い方は様々な方法がありますが、一番簡単で安く使えるのはエレコム製のルーターを使うことです。
エレコム製ルーターだとエレコムが提供するダイナミックDNSサービスとエレコム製ルーターが最新IPアドレスを自動更新してくれる仕組みがセットで手に入ります。
安定性のASAHIネットWiMAX、低コストのUQ WiMAX
ホームルータでポート開放するなら「固定IPのASAHIネットWiMAX +5G」か「変動IPのUQ WiMAX +5G」を選ぶことになります。
比較項目 | ASAHIネット WiMAX +5G | UQ WiMAX +5G | |
---|---|---|---|
IPアドレス | グローバル プライベート | グローバルIPアドレスの利用可能 | |
固定/変動 | 固定IPアドレス | 変動IPアドレス | |
月額料金 | 基本料金 | 6,028円/月 | 4,268円/月 |
オプション料金 | – | 110円/月 ※グローバルIPオプション | |
月額料金 合計 | 6,028円/月 | 4,378円/月 |
ASAHIネットは「固定IP」ですが月額6,028円/月とちょっと高くなります。
UQ WiMAXは「変動IP」ですがダイナミックDNSと併用すれば使い勝手は悪くなく、月額4,378円/月に抑えることができます。
新プラン・新端末に注意!「5G SA」プランではグローバルIPアドレスが使えない!?
現在WiMAX +5Gは「真の5G通信」と言われている「5G SA(スタンドアローン)」対応プラン・対応端末への移行が進んでいます。
そして「5G SA対応プラン/対応端末」では(現時点では)グローバルIPアドレスオプションが利用できません。
グローバルIPアドレスを固定で付与してくれるASAHIネットWiMAXでも固定IPアドレスプランは旧プラン/旧端末(5G NSA)でのみの対応となっており、旧端末の終売(在庫切れ)により固定IPアドレスプランも終了になると思われます。
つまり、WiMAX +5GだけでなくホームルーターサービスでグローバルIPアドレスを使いポート開放を行いたいなら、旧端末の在庫があるプロバイダーと契約する必要があります。
新端末・旧端末とは?
プロバイダーがグローバルIPアドレスオプションに対応していても、契約プラン・契約端末が新端末(5G SA対応)だと現時点ではグローバルIPアドレスオプションが利用できません。
グローバルIPアドレスオプションが利用できるのは、旧プラン・旧端末(5G NSA対応)のプラン・端末です。
新端末 ※5G SA(スタンドアローン)対応 | ホームルーター | Speed Wi-Fi HOME 5G L13 |
---|---|---|
モバイルルーター | Speed Wi-Fi 5G X12 | |
旧端末 ※5G NSA(ノン・スタンドアローン)対応 | ホームルーター | Speed Wi-Fi HOME 5G L11 |
Speed Wi-Fi HOME 5G L12 | ||
モバイルルーター | Speed Wi-Fi 5G X11 | |
Galaxy 5G Mobile Wi-Fi |
グローバルIPアドレスが使えるプロバイダー
WiMAX +5Gは新プラン・新端末(5G SA対応)へ移行が進んでおり、グローバルIPアドレスが使える旧プラン・旧端末はどんどん終了・終売してきています。
現時点(2023年9月)でWiMAX +5GでグローバルIPアドレスが使えるプロバイダーは以下のプロバイダーになります。
ASAHIネットWiMAX
ASAHIネットWiMAXでは旧端末による「固定IPアドレスプラン」を提供しています。
この「固定IPアドレスプラン」を契約した場合、同時購入できる端末は旧端末となります。
このことから、旧端末の終売(在庫切れ)により「固定IPアドレスプラン」も契約できなくなる、と思われます。
カシモWiMAX
カシモWiMAXは現時点で旧端末の在庫があるようで、「旧プラン・旧端末」による契約が可能です。
※旧端末終売により新プラン・新端末へ移行する、とのことです
そしてカシモWiMAXはグローバルIPアドレスオプション(月額110円)に対応したプロバイダーです。
カシモWiMAXなら今でもグローバルIPアドレスを利用するこができます。
UQ WiMAX
WiMAX +5Gの本家「UQ WiMAX」は一足早く新プラン・新端末へ移行しており、現在はグローバルIPアドレスオプションが利用可能な旧プラン・旧端末での契約はできません。
しかし、UQ WiMAXは端末購入を伴わない「SIMのみ契約」に対応しており、SIMのみ契約であれば旧プラン・旧端末対応のSIMカードでの契約ができます。
※つまりグローバルIPアドレスオプション利用可能
では端末はどうするの?となるわけですが、旧端末はAmazonやメルカリなどで新品・中古品が販売・出品されています。
「旧端末はAmazonやメルカリで購入」「UQ WiMAXで旧端末対応プランをSIMのみ(通信サービスのみ)契約」という組み合わせでグローバルIPアドレスオプションを利用することができます。