テレワークの導入などで「すぐにでも自宅にネット環境がほしい」という場合に、もっとも早く利用開始できる可能性が高いのがケーブルテレビの設備を使ったケーブルインターネットのサービスです。
まず、現在はテレビ放送はケーブルテレビによる配給が主流であり、多くの戸建て住宅・集合住宅にはケーブルテレビの設備が導入されています。
そして、この導入済みのケーブルテレビの設備をそのまま使ったネット回線がケーブルインターネット、設備はすでに導入済みであれば、自宅・自室にケーブルモデムというルーターに相当する通信機器を設置するだけで、最速4日でネットが使えるようになります。
この記事ではケーブルインターネットの特徴およびケーブルテレビ最大手「ジュピターテレコム社」が運営するJ:COMのインターネットサービス「J:COM NET」について、詳しく説明していきます。
目次
意外に快適なケーブルインターネット
ケーブルインターネットの仕組み
都市部での高層ビルの増加、地方でのテレビアンテナ基地局保守の負担、などの理由により、従来のような「自宅のテレビはテレビ塔からの電波を受信」する仕組みから地域ごとのケーブルテレビ会社からのケーブル配給によるテレビ受信へと、テレビの受信方式が大きく変わってきています。
つまり、戸建て住宅でも集合住宅でも多くの住宅でケーブルテレビの設備が導入されています。
そして、テレビ映像を配信するためのケーブルに、インターネットのデータも乗せてネット回線も利用できるようにした仕組みがケーブルインターネットです。
自宅のテレビがアンテナ受信ではなくケーブルテレビによる配給であれば、同時にケーブルインターネットの利用もできる環境がある、ということです。
集合住宅にはほぼ導入されている
地域のアンテナ塔から電波を出して自宅のアンテナで受信する方式にかわり、地域ごとのケーブル配信によるテレビ受信方式は国策として進んでいます。
特に集合住宅においては、よほど古くからの物件でなければ、ほぼケーブルテレビの設備が導入されています。この設備はテレビだけでなくインターネットでの利用も可能な設備です。
つまり、ケーブルテレビの設備を使ったケーブルインターネットは、光回線よりもずっと早く使い始めることができるインターネットサービスなのです。
すでにケーブルテレビの設備が導入されている物件であれば工事不要、ケーブルモデム(ルーターに相当)を設置するだけでネット回線が開通し、最短で申し込みから4日でネットを利用することができます。
テレビとネットのセットで大幅割引
ケーブルテレビの主たるサービスは有料放送の配信サービスです。
スカパーやWOWOWなどと同じような有料テレビサービスです。
多くのケーブルテレビでは、これらケーブルテレビによる有料放送サービスとケーブルインターネットサービスをセットで安く提供しています。
ネットのみの利用もできる
ケーブルテレビのサービスとしては、有料の映像サービスの契約が思いつきますが、有料の映像サービスを契約しなくてもインターネットサービスだけでも契約することができます。
ネットとテレビのセットで契約すると、通常別々に契約するよりも安い料金で利用できますが、「有料テレビは不要」という場合にはケーブルインターネットのみの契約も可能です。
J:COMのケーブルインターネット
最大のケーブルテレビ会社「J:COM」とは
J:COMとは日本最大のケーブルテレビ配給会社「ジュピターテレコム」社が運営するケーブルテレビ・ケーブルインターネットのブランドです。
ジュピターテレコム社はau(KDDI)の連結子会社です。
もともとJ:COMは首都圏を中心としてケーブルテレビ配給を行っていた会社ですが、その後全国の中小のケーブルテレビ会社を合併・吸収し、現在では全国に広がる最大のケーブルテレビ配給会社に成長しています。
光回線なみの高速通信、320M・120Mプラン
ケーブルテレビの仕組みを使ったケーブルインターネットはかつては「速度が遅い」という大問題がありましたが、通信機器の技術向上およびそもそものケーブルテレビ配給用のケーブルの大容量化や光ケーブルによる配給方式への変更など、今では「最大320メガ」という光回線以上の通信速度を提供しています。
特徴として、自宅・自室に設置するケーブルモデム(ルーターに相当)を上位機種・下位機種へ変更するだけで、1メガプラン~最大320メガプランまでの通信サービスに対応できます。
光回線なみの速度を提供できるプランとして「120メガプラン・320メガプラン」が提供されています。
プラン | NETのみ | NETとTVのセット |
---|---|---|
120メガプラン | 5,680円/月 | 5,461円/月 |
320メガプラン | 6,180円/月 | 2,500円/月(7か月目まで) ~5,937円/月(8か月目以降) |
手軽に使える40M・12Mプラン
また、メールやSNS利用さらには高画質での動画視聴までに十分対応しながらも安価なプラン「1メガプラン・12メガプラン・40メガプラン」も提供しています。
1メガプランはメールやSNS利用さらに標準画質程度の動画視聴までに対応できるプランですが、現在ではあまりお勧めできるプランではありません。
12メガプランはメール・SNSに加えて動画視聴にも十分対応できるプランであり、さらに40メガプランならほぼ光回線(100メガ)と変わらない使い勝手となります。
ケーブルインターネットの特徴として、光回線やポケットWiFiのように規格値と実測値の差がほとんどないという点があります。つまり「40メガプランならほぼ確実に40メガ出る」ということです。
よって、J:COMのケーブルインターネットを検討する場合には「12メガプラン・40メガプラン」はおすすめのプランと言えます。
プラン | NETのみ | NETとTVのセット |
---|---|---|
12メガプラン | 3,160円/月 | - |
40メガプラン | 4,160円/月 | 5,175円/月 |
光回線を使った10ギガ・5ギガ・1ギガプラン
J:COMにはさらに高速な「10ギガ・5ギガ・1ギガ」という光回線なみのプランもあります。
実はこの高速プランはau(KDDI)の光回線を使ったプランとなります。J:COMを運営するジュピターテレコム社はau(KDDI)の連結子会社なので、auひかりとの協業により「10ギガ・5ギガ・1ギガ」の光回線プランを提供しているわけです。
ただし、これらの光回線を使った超高速プランは速度的な魅力がある反面、別途光ケーブルの導入が必要なことから、工事期間が長かったり対応物件(集合住宅)が限られていたり、というデメリットがあります。
「10ギガ・5ギガ・1ギガ」などの超高速回線を希望される場合には、わざわざJ:COMを選ぶよりも素直にフレッツ光やauひかりを検討したほうが良いでしょう。
J:COM NETとJ:COM TVの契約期間
J:COM NETおよびJ:COM TVには契約期間の定めがあり、どちらも利用開始(開通)から6か月間の定期契約、と定められています。
契約期間の縛りとしては、比較的短い契約期間です。
さらに、契約期間内(6か月以内)の解約においても別途契約解除料(違約金)が定められているわけではなく、「契約期間の残余期間の基本料金」と定められています。
たとえば、J:COM NET(40メガプラン)の月額基本料金は4,160円なので、5か月目に解約した場合の残余期間は1か月であり、解約時の残余基本料金は4,160円となります。
期間契約型のネットサービスとしては契約期間のしばりも契約期間内の途中解約時の違約金についても、非常にゆるい契約と言えます。
J:COM NETのプロバイダーサービス
J:COM NETはJ:COMがケーブルテレビ用の設備とインターネット接続のためのプロバイダーサービスをワンストップで提供するネットサービスです。
J:COM NETはプロバイダーとして多くのサービスを提供しています。
セキュリティソフト「McAfeeインターネットセキュリティ」
J:COM NETを契約すると、パソコンやスマホをウィルスやフィッシング詐欺サイトなどから守ってくれるセキュリティソフト「McAfeeインターネットセキュリティ」が無料で利用できます。
現在、有料(買い切り、または年間契約)でセキュリティソフトをご利用の場合でもJ:COM NETを利用すればその分の料金が不要となります。
メールアドレス
J:COM NETではプロバイダーメールアドレスを無料で提供しています。
ネットサービスではGメールやYahoo!メールなどのフリーメールが利用できないものも多くあります。
フリーメールよりもプロバイダーが提供しているプロバイダーメールの方が信頼性が高いからです。
J:COM NETならいざという時に使える信頼性の高いプロバイダーメールアドレスが無料提供されます。
料金据え置きで速度アップ
J:COMでは2020年3月に「料金据え置きで速度アップ!」のサービスを実施しました。
文字通り、料金は変わらずに契約プランをひとつ上のプランへと変更してくれました。実施されたサービスアップは以下の通りです。
2020年3月より無料で速度アップ | ||
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1Mプラン | ⇒ | 12Mプラン |
12Mプラン | ⇒ | 40Mプラン |
集合住宅なら無料で使えるかも?「J:COM in My Room」
無料で使える「J:COM in My Room」
J:COMには「J:COM in My Room」というサービスがあります。
この「J:COM in My Room」は集合住宅のオーナー向けに提供されている特別なプラン、「J:COMインターネットを集合住宅に一括導入」「費用はオーナー負担」というサービスです。
つまり、対象物件(集合住宅)であれば、利用者(入居者)は無料でJ:COMインターネットが使えるわけです。
お住まいの集合住宅が「J:COM in My Room」の対象物件になっているかどうかは、J:COMのホームページから住所・物件名で検索することができます。
設備はすでに導入済み、すぐにネットが使える
「J:COM in My Room」の対象物件(集合住宅)なら、すでに各部屋でケーブルインターネットが利用できる状態になっており、かつ無料で利用することができます。
「J:COM in My Room」の対象物件にはすでに集合住宅向けの集合機器が導入されているので、あとは利用者の部屋にケーブルモデムという機器(ルーターに相当)を設置するだけで、ネットが使えるようになります。
使えるプランは多くの場合「1Mプラン」または「12Mプラン」が多いようで、それ以上の速度プランへは別途有料でプラン変更というのがほとんどでした。
しかし、2020年3月より、サービス向上で無料で上位プランへの移行が行われています。
2020年3月より無料で速度アップ | ||
---|---|---|
1Mプラン | ⇒ | 12Mプラン |
12Mプラン | ⇒ | 40Mプラン |
これにより、現在では多くの「J:COM in My Room」で「40Mプラン」が主流になっており、無料の範囲内で動画視聴も含めて十分対応できるネットサービスになっています。
無料だけど申し込み・契約が必要
ただし、「各部屋へ標準装備」ではなく「無料だけど入居者と個別に契約」が必要なサービス、つまり対象物件であっても入居者がJ:COMへ利用を申し込み、個別に契約書を交わしたうえで、ケーブルモデムという機器をレンタル(無料)することで、ケーブルインターネットが利用できる仕組みになっています。
もしかすると、「J:COM in My Room」の対象物件のお住まいの方でも、このことを知らずにせっかく無料のサービスを利用していないかもしれません。
「J:COM in My Room」の対象物件であれば、J:COMへ連絡(電話)することでケーブルモデム設置の日付を決めて、その設置の日に工事完了(30分程度)、その日からインターネットが利用できるようになります。
まずはお住まいの物件(集合住宅)が「J:COM in My Room」対象かどうかをJ:COMのホームページでチェックしましょう!
そして、「J:COM in My Room」対象物件であれば、J:COMへ電話連絡してケーブルモデムを設置してもらいましょう!
J:COM | 0120-989-970 ※9:00~18:00(年中無休) |
---|
無料で使える便利機能
Wi-Fiが使えるルーター
「J:COM in My Room」を申し込むことで、ケーブルモデム(ルーターに相当)が自室に設置されます。
設置されるケーブルモデムは在庫によって型番がかわりますが、最近ではWiFi機能付きケーブルモデムが主流となっています。
J:COMでは以前から「WiFiオプション」を別途有料で提供しており、「J:COM in My Room」においても「WiFi機能付きケーブルモデムは別途有料(月額300円)」と設定されていますが、多くの場合には別途オプション不要でWiFi機能付きケーブルモデムが設置されます。
これはケーブルモデムの在庫状況によるものと思われますが、現在主流は標準(無料)でWiFi機能付きケーブルモデムが設置されるようです。
セキュリティソフト「MacAfeeインターネットセキュリティ」が無料
無料で使える「J:COM in My Room」ですが、住居者が費用負担する代わりに物件オーナーが費用負担する仕組みになっているだけです。
そのため、無料であっても結構サービスが充実しています。
代表的なサービスがセキュリティソフト「MacAfeeインターネットセキュリティ」が無料で提供されます。
メールアドレスももらえる
また、J:COMドメインを使ったメールアドレスも無料で提供されます。
ネット上のサービスではGメールやYahoo!メールなどのフリーメールでは使えないサービスもありますが、この場合でもプロバイダーアドレスとして認定されているJ:COMのメールアドレスを利用することができます。
会社と繋がるVPNも使える
ネット回線でテレワークをする場合、自宅と会社を仮想的な専用線として接続するVPNというサービスを利用することがあります。
VPNというサービスを利用することで、自宅のパソコンが会社内で使う場合と同じようなセキュリティで守られることになりますが、プロバイダーによってはこのVPNサービスが利用できない場合もあります。
J:COMのケーブルインターネットサービスはこのVPNサービスに標準対応しているので、テレワーク利用時におけるVPN接続の必要があっても十分対応することができます。
まとめ、J:COMケーブルインターネットの特徴
すでに設備導入済みなら早く使い始められる
J:COMを始めとするケーブルテレビの設備は全国的に導入がすすんでいます。
高層ビルの影響やテレビアンテナの設置にかわって、ケーブルテレビによる映像サービスを広めていくのは国策だからです。
つまり、集合住宅のみならず戸建て住宅においても、すでにケーブルテレビの設備が導入されている場合が多いのです。
そして、ケーブルテレビの設備が導入されている戸建て住宅・集合住宅なら、最短4日でケーブルインターネットを利用できるのです。
auスマホセット割「auスマートバリュー」対応
多くのケーブルテレビではau(KDDI)と業務提携を行っていることから、auスマホの割引サービス「auスマートバリュー」の割引対象回線となっています。
auスマホをご利用の方は、自宅のネット回線をJ:COM NETにすることで月額最大1,000円もの割引サービスを受けることができます。
無料で使える集合住宅もたくさんある
さらにJ:COMには「J:COM in My Room」という集合住宅のオーナー向けサービスを展開しています。
集合住宅のオーナーが費用負担することで、利用者(住居者)は無料でJ:COM NETが利用できるサービスです。
2020年3月より、対象物件の多くで無料のまま速度アップが行われており、現在は多くの対象物件で「下り最大40M(上り10M)」のプランが主流となっています。
「J:COM in My Roon」対象物件であれば、無料(オーナーが費用負担)で下り最大40Mという動画視聴にも十分なネット環境を利用することができます。
最速でネットを使いたいならポケットWiFiも検討
J:COMの設備はほとんどの集合住宅にはすでに導入されています。このため、J:COMの設備を使ったネット回線は申し込みから最短4日という早さで利用できるようになります。
この「申し込みから最短4日」というのは、「すぐにネットが使いたい」という方にとって魅力ですが、さらに早く使いたい方にはポケットWiFiの「WiMAX2+」をおすすめします。
電波を使ったネット回線なので工事は全く不要、最短で申し込みの翌日からネットを利用することができるようになります。
一日でも早くネット回線が必要なかたは、すでに設備が導入されているケーブルインターネット(J:COM NET)および、設備不要・工事不要・最短翌日開通のポケットWiFi「WiMAX2+」も検討してみると良いでしょう。